質量分析では、実験を管理下に置くことが非常に重要です。慎重に管理した条件下でイオンが生成したら、離散的イオン群として、それらを適切な感度で検出する必要があります。GC は蒸気負荷が最小であるため、初期にはハイフネーテッドテクノロジーとして最適の選択肢でしたが、これを適用できる化合物はわずか 20% でした。分析種を導入して質量分析計内でイオン化する手段として、現在では、LC 溶離液を霧状にすることが最も頻繁に用いられていますが、これは確実に制御するために真空環境が必要な手法です。
すべての質量分析計において、排気容量が重要な設計要素になっています。装置の希薄な大気領域に真空が十分に行きわたっている必要があり、イオンインレットのサイズや除去する必要がある蒸気の量など、設計上不可欠な要因を相殺するのに十分である必要があります。
インレット |
分析の圧力を維持するのに必要な排気性能 |
キャピラリー GC(1 mL/分) |
約 400 |
マイクロボア LC(10 mL/分) |
約 5,000 |
従来のカラムの LC(1 mL/分) |
約 50,000 |
LC-MS の排気要件は、使用するインターフェースにより異なります。これが、蒸気が MS に入る前に除去される API イオン源の開発が加速した理由の 1 つでした。
アナライザーでは、装置により、導入されたイオンの分離または区別を行われます。イオン源では、ポジティブイオンおよびネガティブイオン(および非荷電の中性分子種)の両方が生成します。ただし、特定の瞬間には 1 つの極性のみが記録されます。最新の装置ではミリ秒単位で極性を切り替えられるため、ピークの幅がわずか 1 秒程度の超高速液体クロマトグラフィー(UPLC)や GC 分離で通常みられる速く一過的なイオン群についても、非常に忠実な記録を生成できます。
1953 年、西ドイツの物理学者である Wolfgang Paul と Helmut Steinwedel が四重極型質量分析計の開発について報告しています。4 本の平行なロッド間に重畳された高周波電波(RF)および定直流(DC)電位が、質量セパレーターあるいはフィルターとして機能し、一定の振幅で振動する特定の質量範囲のイオンのみがアナライザーで収集されます。
今日の装置メーカーは、これらの対象を特定のアプリケーションに絞っています。シングル四重極型質量分析計では、望ましくないイオンによる干渉を避けるためにきれいなマトリックスを必要とし、高い感度が得られます。
トリプル四重極質量分析計あるいはタンデム質量分析計(MS/MS)により、シングル四重極型装置に新たな四重極を追加して、さまざまな方法で利用できます。1 つの使用方法は、複雑な混合物から、イオンの固有の質量電荷(m/z)比により、目的のイオンを単純に分離して検出することです。追加された四重極が威力を発揮する別の利用方法として、制御されたフラグメンテーションの実験との併用があります。この実験では、目的のイオンを他の分子(通常はアルゴンなどの気体)と衝突させます。このようなアプリケーションでは、プリカーサーイオンがプロダクトイオンにフラグメント化され、MS/MS 装置は、目的の化合物をその固有の構成要素によって同定します。
四重極型アナライザーは、通常平行に配置した 4 本の金属製(モリブデン合金など)のロッドで構成されています。四重極設計の開発には、膨大な量の技術とサイエンスが投入されています。質量がイオンの動きにより並べ替えられ、これによって直流(DC)電場および無線周波(RF)電場が装置のアナライザーに誘導されます。電場強度をソフトウェアで体系的に変えることで、どの m/z 値がフィルタリングされるか、あるいは所定の時間に検出器に透過するかが変わります。四重極は、飛行時間型(TOF)装置などの一部の質量分析計設計よりも分解能が低いです。一方、四重極は、比較的シンプルで使いやすく、便利な装置であり、比較的安価で多様なインターフェースが利用できます。
MS 機能を比較および説明するには、多少の専門用語(本入門書の後半で詳述)が必要になります。
分解能は、「res」と略されることが多く、質量分析計が 2 つの質量を分離する能力のことです。
計算された精密質量(Exact Mass)は理論的に正確な化合物の質量の値であるのに対し、測定された精密質量(Accurate Mass)は化合物の測定値(質量誤差 5ppm 以内)のことです。また、測定された精密質量(Accurate Mass)は、質量の測定値よりもむしろ、手法を指すのに一般に使用されます。計算された精密質量の一般的な許容基準(例えば、論文発表や特許申請のため)は、理論質量との誤差が 5 ppm 以内の測定値を装置で得られる性能です。例えば、250 Da での 5 ppm は 1.25 mDa です(5 mDa との混同に注意してください。この場合は 250 Da の 20 ppm です)。
マルチプルリアクションモニタリング(MRM)およびシングルリアクションモニタリング(SRM)のバラエティーを説明します。これは、プリカーサーイオンのプロダクトイオンへのトランジション(フラグメント化)のモニタリングのことで、一般に単一段階の装置での実験の選択性、特異性、および/または検出感度が改善する傾向があります。単一の装置に 2 台の質量分析計を直列(または 2 段階の質量分析部)にして使用します。
トリプル四重極型質量分析計には 3 組の四重極フィルターがありますが、1 番目と 3 番目のフィルターのみが質量分析計として機能します。最新の設計では中央の装置(初期の四重極設計に代わるもの)が十分に区別されて機能強化されているため、代わりにトリプル四重極またはタンデム四重極という用語がよく用いられます。1 番目の四重極(Q1)は質量フィルターとして機能し、選択されたイオンを Q2(コリジョンセル)に向けて透過・加速させます。一部の設計では Q2 は他の 2 つの四重極と類似していますが、RF は、質量選択ではなく、透過のみのために Q2 にかけられます。Q2 の方が圧力が高く、イオンはコリジョンセル中の中性ガスと衝突します。結果として、衝突誘起解離(CID)によりフラグメント化が生じます。次に、フラグメントイオンが加速されてもう 1 つのスキャニング質量フィルター Q3 に入り、ソートされてから検出器に入ります。
衝突誘起解離(CID)は、衝突活性化解離(CAD)とも呼ばれるメカニズムで、分子イオンが通常、真空領域内で電位によって高運動エネルギーを持つように加速され、気相中でフラグメント化した後、ヘリウム、窒素、アルゴンなどの中性ガス分子と衝突します。衝突により、運動エネルギーの一部が変換されて取り込まれ、化学結合が壊れて分子イオンが小さなフラグメントになります。同様の「特殊目的の」フラグメント化法には、電子伝達解離(ETD)、電子捕獲解離(ECD)などがあります。「生体分子のイオン化法」のセクションを参照してください。
左から入ってくる 237 Da プリカーサーイオンが、MS/MS コリジョンセルでフラグメント化されています。データシステムには、生成するフラグメントすべてではなく、目的のフラグメントのみが表示され、フルスキャン MS スペクトルとしては比較的シンプルなスペクトルになります。フラグメント化の程度を制御でき、プリカーサーイオンの選択も行えます。
逆相という用語は順相と正反対のクロマトグラフィーモードであることを表しています。つまり極性移動相と非極性(疎水性)固定相が使用されます。図 S-2 に、このようなプロトコルを使用した、黒色の 3 色素混合液の分離が示されています。
一部の規制対象業界では、ポジティブに荷電した化合物同定の規格を満たすためには、MRM トランジションのカウントが 1.5「同定ポイント」、SIR トレースのカウントが 1.0 になります。そのため、選択性が十分と仮定すると、3「IPS」を達成するには、2 つの MRM トランジションと 3 つの SIR トレースが必要になります。
磁場セクター質量分析計(またはセクターフィールド質量分析計)は、現在もわずかながら用いられている昔の装置設計です(ESI イオン化モードで動作できる最新の ESI 装置に置き換わってきています)。例えば Waters AutoSpec は、極度に高感度なダイオキシン分析において世界中で使用されています。
セクターにより弓型にイオンの軌跡が曲げられます。イオンの「電荷に対する運動量」比により、軌跡の半径が決まり、それら自体は電場/磁場によって決まります。m/z 比が大きいイオンは、小さいイオンと比べてより長い経路を進みます。この経路は磁場の強度の変化により制御されています。ダブルフォーカス質量分析計では、磁場と電場をさまざまな組み合わせで用いており、電場セクターの後に磁場セクターが来る設計がより一般的です。この最初期のハイブリッド化においては、電場セクターを使用して、イオンがイオン源を出る際の運動エネルギーによりイオンを収束させています。エネルギー収束に続いて、角度をつけた収束を行うことにより、同じノミナル質量で化学式が異なるイオンが分離されます。
イオントラップ装置は、四重極型装置と同様の原理で動作します。ただし、流れるイオンをフィルタリングする四重極型装置とは異なり、イオントラップやより高機能のイオンサイクロトロン(ICR)装置では、3 次元空間にイオンが保持されます。飽和に達する前に、トラップまたはサイクロトロンにより、質量に基づいて選択されたイオンが排出されて検出されます。トラップの範囲内で一連の実験を行い、目的のイオンをフラグメント化し、そのフラグメントによりプリカーサーイオンをより確実に定義することができます。RF 電圧により生じる電場が、2 つの電極の間の空間にスタックしたまたは「サンドイッチ」形状(反対同志の先端にあるエンドキャップ電極)のトラップイオンに印加されます。RF 電圧のランプまたはスキャンにより、イオンが永続的な周波数(トラップ状態)から解放されます。ダイナミックレンジは限定される場合があります。イオンのボリュームおよびキャパシティーが有限であることにより、特に複雑なマトリックス中のサンプルでは、装置の範囲が限定されます。
イオントラップ装置は 1980 年代に導入されました。しかし、それらの昔の装置で使用されていた内部イオン化法に限界が課されているため、多くのアプリケーションではこの装置が使用できませんでした。外部イオン化の登場により、装置がより普遍的に実用的になりました。
連続的にフラグメント化できるようになり、単一の分析種から、より多くの構造情報が得られるようになった(イオンをフラグメント化し、特定のフラグメントを選択するプロセスを繰り返す)この機能は MSn と呼ばれます。GC のクロマトグラフィーピークはあまり幅が広くないため、単一のフラグメント化(MS/MS または MS2)までしかできません。イオントラップ装置では、四重極装置またはセクター装置と同様、MS/MS 実験またはフラグメンテーション実験を空間ベースではなく時間ベースで行います。そのため、ニュートラルロスやプリカーサーイオンの比較などの特定の MS/MS 実験には使用できません。また、イオントラップ装置での MS/MS 操作においては、トラップの設計により MS/MS スペクトルの下 3 分の 1 が失われます。このようなロスに対処するため、一部のメーカーでは、ソフトウェアにより、データ取り込み時に装置パラメーターの切り替えが必要な、より幅広いスキャン要件が使用できるようにしています。
トラップ設計では、プリカーサーの質量電荷比(m/z)の上限および、トラップされるフラグメントイオンの下限を設定しています。これは通常「3 分の 1 ルール」と呼ばれています。例えば、m/z 1500 のイオンのフラグメントイオンは m/z 500 未満の場合検出されません。これは、ペプチドの de novo シーケンシングにおいては大きな制限になります。イオントラップではダイナミックレンジが制限されています。これはトラップ空間に入るイオンが多すぎる場合の空間電荷効果によります。トラップに入る前にイオンをカウントする自動スキャニングが開発され、中に入るイオンの数を制限(ゲーティング)できるようになりました。それでも、大量のバックグラウンドイオン中に比較的少量の目的イオンが存在する場合には、検出が困難になります。
四重極装置も構造設計が類似しているため、四重極ストリームおよびイオントラップ挙動のメリットを組み込むなど、四重極装置をハイブリッド化することで感度を改善し、それぞれ単独では不可能な臨機応変な実験が可能になっています。このような装置は、リニアトラップまたは Q-トラップと呼ばれることもあります。リニアトラップ装置の容量の増加(3 次元イオントラップを超える)により、ダイナミックレンジが改善されています。
イオントラップ装置では、シングルイオンモニタリング(SIM)やシングルイオンレコーディング(SIR)を使用した四重極装置のようなスキャンは行わないので、四重極装置やセクター装置とは異なり、この手法ではイオントラップの感度は改善されません。
高速フーリエ変換イオンサイクロトロン共鳴(FTICR)は、質量測定において究極の性能を発揮し、近接した質量を分離できます。大半のアプリケーションでは非現実的ですが、14.5 テスラの磁石により、350 万種以上の分子の分離を達成でき、質量の差が電子 1 個分より小さい分子の場合にも区別されて表示されます。
サイクロトロン装置では、定磁場を使用して静電気によりイオンがセル内にトラップされます。RF 電圧のパルスが軌道性のイオン運動を生み出し、軌道周回するイオンにより、セルの検出プレートで小さなシグナルが生成します(イオンの軌道性周波数)。周波数はイオンの m/z と逆相関の関係にあり、シグナル強度はセル内の同じ m/z のイオン数に比例します。非常に低いセル圧では、サイクロトロン装置によりイオンの軌道が長期間維持され、非常に高分解能の測定が可能になります。
持続性準共鳴励起-衝突誘起解離(SORI-CID)は、フーリエ変換イオンサイクロトロン共鳴質量分析で用いられる CID 手法です。サイクロトロン運動によりイオンが加速され、圧力増加の結果として衝突が生じ、フラグメントが生成します。フラグメント化の後、圧力が減少し、高真空状態に戻ってフラグメントイオンが分析されます。
飛行時間(TOF)型装置は、何年も前に開発されたにもかかわらず、高速かつ精密な電子機器と ESI などの新しいイオン化手法により、最近の研究の基礎となっています。TOF 装置により、真の分子質量について 100 万分の 1(ppm)レベルの精密質量の測定が可能になります。一過的分散質量分析計である TOF 装置は、直線的な方法、あるいは静電グリッドおよびレンズを用いてリフレクトロンとして使用します。リフレクトロンとして動作させると、大幅な感度低下や、飛行チューブ(またはドリフトチューブ)のサイズを大きくする必要なく、分解能が高まります。
TOF 分析では、イオン群が一瞬で加速され、検出器に入ります。「プッシャー」電極から同一の電荷(ポテンシャル)を受け取ったそれぞれのイオンが、イオン源を出ます。各イオンの電位により、イオンが加速(発射)されて非常に低圧のチューブ内に入ります。同様の電荷を持つイオンはすべて同じ運動エネルギーを持つため(運動エネルギー = ½ mv2、ここで m はイオン質量、v は速度)、低質量のイオンは速度が増し、検出器に衝突するまでの時間が短くなります。質量、電荷、運動エネルギーにより、イオンが検出器に到達する時間が決まるため、イオンの速度は v = d/t = (2KE/m)1/2 と表わされます。イオンは一定の距離(d)を特定の時間(t)で移動します。ここで、t は質量電荷比(m/z)に左右されます。それぞれの「プッシュ」に対してすべての質量が測定されるため、TOF 装置では、スキャンする装置と比較して、非常に高い感度が達成できます。
今日の四重極型 MS システムでは、ルーチンに毎秒 10,000 Da(amu)でスキャンできます。包括的なスキャンでは、短時間(例えば LC または GC ピークでは 1 秒)でも、各イオンが毎秒 10 回以上捕捉されます。TOF 装置の検出器には、ナノ秒単位で繰り返されるプレートへのイオン衝撃が記録されます。このような分解能により、四重極などのスキャニング装置と直接比較して、より広いダイナミックレンジや高感度などの性能強化が得られます。一方、四重極型装置は一般に、複雑な混合物中の対象分析種を検出する際の感度がより高く、一般にはより優れた定量ツールであると言えます。イオントラップなど、一部の装置では、これらの機能を組み合わせています。ハイブリッド装置が登場するまでは、単一の装置で、あらゆる側面において高性能を達成することはできませんでした。
初期の MALDI-TOF 設計(マトリックス支援レーザー脱離イオン化を使用)では、イオン源から出たイオンが瞬時に加速されました。分解能は比較的悪く、正確度は限定的でした。遅延抽出(DE)は、MALDI-TOF 装置用に開発されたもので、イオン生成から約 150 ナノ秒後に「冷却」して収束させます。次に、イオンを加速し、フライトチューブに入れます。冷却されたイオンは、冷却されていないイオンよりも運動エネルギー分布が低く、最終的に TOF アナライザーに入る際のイオンの時間的拡散が低減することで、分解能と正確性が向上します。DE は高分子(30,000 Da 超のタンパク質など)では明らかに不利になります。
「ハイブリッド」という用語は、ダブルフォーカス、磁場セクター、そして最近ではサイクロトロンの「前の」イオントラップなど、既存のテクノロジーを組み合わせたさまざまな質量分析計の設計に対して用いられます。最も興味深い設計の 1 つである四重極飛行時間型(QTOF)質量分析計では、TOF 装置を四重極型装置と組み合わせています。この組み合わせにより、精密質量測定、フラグメンテーション実験を行う機能、質の高い定量など、複数の性能特性の最善の組み合わせが得られています。
さらなる進化により、イオンモビリティー測定とタンデム質量分析計による分離の組み合わせが行われました。イオンモビリティー質量分析法(注:IMS はイメージング質量分析計の略であるため、ここでは IMMS とします)は、イオンをサイズ、形状、電荷、質量などの要因の組み合わせによって区別する手法です。IMMS 装置は一般に空港内や手持ちフィールドユニットに使用され、特定の麻薬や爆発物など、モビリティーが既知の低分子を迅速(20 ミリ秒)に検出できます。IMMS を上位の装置に適応すると、(LC および MS の両方で)直交的な次元の分離が得られ、以下のような独自の機能が得られます。
3 つの分析シナリオすべてにおいて、効率の高いイオンモビリティーとタンデム質量分析の組み合わせにより、従来の質量分析計や液体クロマトグラフィー装置など、他の分析法では対処できなかった分析の課題を克服することができます。
このセクションの最後に引用している H.H. Hill Jr. らによる総説では、論文発表の 2007 年当時のさまざまな種類のイオンモビリティー質量分析を比較し、それらを幅広い分析種に適用する利点を説明しています。この論文では、以下の 4 種類の、質量分析計で現在使用されているイオンモビリティー分離の分析法を対象にしています。
著者らによると、「DTIMS は、最高の IMS 分解能が得られ、衝突断面積を直接測定できる唯一の(IMMS)分析法である。AIMS は低分解能のモビリティー分離法であるが、イオンを継続的にモニターできる。DMS および FAIMS には継続的なイオンモニター機能および直交的なイオンモビリティー分離能があり、高い分離の選択性が得られる。TWIMS は新規の(IMMS)分析法であり、その分解能は比較的低い。ただし、感度が高く、市販の質量分析計の動作に統合しやすいという特性がある。」と記載されています。
イオンモビリティーは、MS と組み合わせることで、生体分子の気相構造の調査にも用いられています。Pringle ら(セクション末に引用)は、ハイブリッド四重極/進行波イオンモビリティーセパレーター/直交加速飛行時間型装置を用いて、ペプチドイオンおよびタンパク質イオンのモビリティー分離を検討しています。この中で、進行波(TWIMS)分離装置を用いて得られたモビリティーのデータを、その他のさまざまなモビリティーセパレーターと比較することで、「モビリティー特性は類似しているが、新規ハイブリッド装置の形状により、質量分析計の基本的な感度を犠牲にすることなく、モビリティー分離が得られる。この機能により、サンプルのモビリティー試験が分析的に有意なレベルで促進される。」と記載しています。
関連項目:
使用する装置の種類