その他のイオン化手法

その他のイオン化手法

純粋あるいは原液の化合物を、ロッドまたは固体プローブの先端に蒸着して、イオン源に導入します。熱によってサンプルが気相中に昇華または蒸発します。多くの場合、イオン化はここに記載されている方法で行われます。場合によっては、昇華または蒸発と同時にイオン化が起きます。

大気圧光イオン化(APPI)

  • イオン化ポテンシャルが 10 eV 未満(主な光子エネルギー出力がクリプトンガスランプによる場合)の分析種の直接またはドーパント支援光子イオン化。LC で一般的に使用されている溶媒イオン化ポテンシャルは 10 eV 超です。APPI は、ESI や APCI よりもイオン化範囲がより多くの非極性分析種にまで拡張しているため、ラボにおける API の主な代替手段の 1 つです。

マトリックス支援レーザー脱離イオン化(MALDI)

  • インタクトプロテイン、ペプチド、およびその他のほとんどの生体分子(オリゴヌクレオチド、炭水化物、天然物、脂質)のソフトイオン化および不均一なサンプルの分析(タンパク消化物などの複雑な生体サンプルの分析)
  • 高エネルギーの光子が有機マトリックスに含まれるサンプルと相互作用し、ピコモル以下の感度が得られます。
  • 1988 年に Tanaka、Karas、および Hillenkamp により初めて紹介されました。

高速原子衝撃(FAB)

  • セシウムイオン流を使用するソフトイオン化の初期の形態で、グリセロールまたは同様のマトリックスに溶解したサンプルからのイオンを「スパッター」します。

脱離

  • プラズマ脱離核分裂フラグメントが金属ホイルに蒸着した固相サンプルと相互作用します。
  • 二次イオン MS(SIMS)高速イオンが、金属板に蒸着したまたは液体マトリックス(液体 SIMS)に含まれる薄膜状のサンプルに衝突します。
  • 電解脱着:支持体上に蒸着したサンプルに、高フィールドグラジエントを課します。
  • 脱離 ESI(DESI):密接に関連している手法である DART(リアルタイムのダイレクト分析)、ASAP(大気圧固体試料分析プローブ)およびその他の最近市場に導入された手法と同様に、表面での何らかの相互作用により二次イオンを生成する傾向があります。DESI では、平らな表面に蒸着したサンプルに電圧を印加した液体流を当て、大気圧で二次イオン化を発生させます。

参考文献:MS – The Practical Art, LCGC

  • Incipient Technologies: Desorption and Thermal Desorption Techniques, Vol.25, No.10 December 2007
    • 重要である理由:DESI、DART、ASAP などの手法を説明して比較し、それらの使用に向けた現実的な評価をしています。
  • Alternatives in the Face of Chemical Diversity, Vol.25, No.4, April 2007
    • 重要である理由:GC およびその他のあまり使用されていない手法を、大気中での作業用に設計された最新装置に適用する見込みを模索しています。
  • Ionization Revisited, Vol.24, No.12, December 2006
    • 重要である理由:現在使用されている主要なイオン化法を、参考文献を挙げて概説しています。

関連文献:

  • Balogh, M.P., The Commercialization of LC-MS During 1987–1997: A Review of Ten Successful Years, LC/GC, Vol.16 no 2 135-144, February 1998.
  • Van Berkel, G.J., Pasilis, S. P., Ovchinnikova, O., Established and emerging atmospheric pressure surface sampling/ionization techniques for mass spectrometry, Journal of Mass Spectrometry, Vol.43, no.9, 1161–1180 2008
  • Knox, J.H., Practical Aspects of LC Theory, Journal of Chromatographic Science, 15, (1977) 357

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