水素重水素交換 – 質量分析法

水素重水素交換 – 質量分析法

ウォーターズにより、手動の HDX プロセスがシームレスな自動ソリューションに変換します。LC-MS、自動化、およびインフォマティクスの各テクノロジーの最近の発展により、HDX-MS がどのようにタンパク質構造研究用の頑健なツールに変わったかをご紹介します。

ウォーターズにより、手動の HDX プロセスがシームレスな自動ソリューションに変換します。LC-MS、自動化、およびインフォマティクスの各テクノロジーの最近の発展により、HDX-MS がどのようにタンパク質構造研究用の頑健なツールに変わったかをご紹介します。

タンパク質の 3D 構造
Protein structure 3D

概要

ウォーターズは、Trajan と連携して、当社の HDX-MS システムを使用して、手動の部分が多い分析プロセスを統合された自動システムに変換しました。HDX-MS システムでは、高圧のナノスケールからマイクロスケールまでの UPLC 分離、サンプルハンドリングロボット、高分解能イオンモビリティー質量分析を活用して、以下のような詳細なタンパク質構造分析試験を実行します:

  • エピトープマッピング
  • タンパク質と薬剤の結合
  • タンパク質-タンパク質相互作用
  • 凝集体
  • タンパク質の構造とダイナミクスに対する変異の影響
  • 製剤化による立体構造の変化および安定性試験

ウォーターズの HDX 用の市販の完全なシステムでは、ウォーターズの HDX テクノロジー搭載 ACQUITY UPLC M-Class システムを、SELECT SERIES Cyclic IMS などのウォーターズ質量分析計、Trajan ロボット、および HDX アプリケーション専用ソフトウェアである DynamX と組み合わせています。



水素重水素交換の原理

水素重水素交換の原理

水素重水素交換(HDX)MS は、低分子医薬品がターゲットタンパク質にどのように結合するかの理解や、エピトープマッピングなど、多くのアプリケーションで利用できます。このテクノロジーでは、溶液中の重水素が生体分子の骨格中のアミド水素と置換し、MS によってこれらの変化を測定することができます。

生体分子の骨格に含まれるアミド水素は、部分的に立体構造に応じた異なる速度で、溶液中の重水素と置換します。MS は、これらの変化を測定できるため、さまざまな部位における活性の度合いを推測することができます。これらの場所を特定して一次配列にマッピングすることができるため、タンパク質構造に関する情報がより容易に可視化でき、明らかになります。相対的フォールディングおよびダイナミクスは、さまざまな場所での取り込み速度の違いから判定することができます。

すべてのペプチドの包括的データセットの生成

すべてのペプチドの包括的データセットの生成

UPLC-MSE を使用することで、ペプチドシグナルの強度によるバイアスなしにすべてのペプチドを測定して、包括的データセットを生成することができます。これは、低強度のペプチドに重要な情報が見つかる可能性がある HDX 試験における重要な機能です。

HDX-MS により、タンパク質のさまざまな立体構造への相対的な重水素の取り込みやタンパク質内の位置に関する情報が得られることにより、生体分子のダイナミクスの新たな扉が開かれます。最近の開発により、HDX 質量分析は、バイオ医薬品の高次構造(HOS)のダイナミクスを研究するための、より利用しやすいツールになりました。業界および規制のトレンドは明らかに、立体構造および生体分子間の関係に焦点を合わせる方向に向かっており、HDX は、より多くのバイオ医薬品分析の分野で、重要なツールとして急速に採用されています。


バイオシミラーの特性解析

バイオシミラーの開発者が独自のバイオシミラーの仕様を設定する際に、先行バイオ医薬品の構造および多様性を十分に理解する上で、LC-MS テクノロジーがどのように役立つかをご紹介します。

バイオシミラーの開発者が独自のバイオシミラーの仕様を設定する際に、先行バイオ医薬品の構造および多様性を十分に理解する上で、LC-MS テクノロジーがどのように役立つかをご紹介します。


p38 MAP キナーゼタンパク質、化学構造式

ソリューション


タンパク質構造の変化を確実に定量

タンパク質構造の変化を確実に定量

HDX テクノロジー搭載 ACQUITY UPLC M-Class システムにより、UPLC 分離と高分解能質量分析(HRMS)を活用して、タンパク質構造の変化を確実に特定できます。

  • Structural Biology

完全なカバー率で、自信を持って特性解析を実施

完全なカバー率で、自信を持って特性解析を実施

Xevo G3 QTof を使用することで、詳細な特性解析から正確な定量まで、サンプルから分析種に関する情報を最大限に引き出し、結果の信頼性が高まります。

 

  • Structural Biology

究極のパワー、究極の性能で科学の限界に挑む

究極のパワー、究極の性能で科学の限界に挑む

焦点を絞った連携を通じて開発された SELECT SERIES Cyclic IMS では、新規のサイクリックイオンモビリティー分離と先進的な高性能飛行時間型質量分析を組み合わせており、トップレベルの研究者が科学的発見をなし遂げる可能性を解き放つことができます。

  • Structural Biology

ディスカバリーがなければ、暗闇の中で決定を行わなければなりません

ディスカバリーがなければ、暗闇の中で決定を行わなければなりません

SYNAPT XS は、究極の柔軟性を提供し、あらゆるアプリケーションの科学的創造性と技術的成功をサポートするための分析における選択肢がさらに広がります。

  • Structural Biology

ウォーターズソフトウェアでは、結果を比較ビューで便利に表示し、自動機能によって分析時間を短縮することができます。

ウォーターズソフトウェアでは、結果を比較ビューで便利に表示し、自動機能によって分析時間を短縮することができます。

水素重水素交換の解釈の簡素化

水素重水素交換の解釈の簡素化

DynamX HDX データ分析ソフトウェアは、事前定義された基準でスペクトルを体系的に選択し、重水素化型の質量変化を測定するように設計されています。UPLC で得られるよりシャープなピークとより良好な分離、MSE 検出の包括的であるという性質を利用することで、ソフトウェアの自動化が大幅に簡素化します。

  • Structural Biology

ウォーターズは、現在の分析上の課題を克服できる可能性のある幅広いカラムを提供しています。

ウォーターズは、現在の分析上の課題を克服できる可能性のある幅広いカラムを提供しています。

より速く、より効率的なオンラインタンパク質消化

より速く、より効率的なオンラインタンパク質消化

Enzymate BEH Pepsin カラムにより、より短いサンプル前処理時間で、迅速で効率的な、再現性のあるオンラインタンパク質消化を達成できます。

  • Structural Biology

生体分子の分析におけるシステム性能を検証するために設計された標準試料

生体分子の分析におけるシステム性能を検証するために設計された標準試料

ウォーターズの製薬 & ライフサイエンス分野向けスタンダードにより、正しい結果が得られ、重要な医薬品およびライフサイエンスのアプリケーションにさらに保証を追加します。

  • Structural Biology

合理化されたウォーターズの分析サービスを使用することで、複数の法医学スクリーニング、確認、定量の各ワークフローにおいて正確な結果が得られます。

合理化されたウォーターズの分析サービスを使用することで、複数の法医学スクリーニング、確認、定量の各ワークフローにおいて正確な結果が得られます。

成功まであとワンクリック

成功まであとワンクリック

Waters グローバルサービスを利用することで、ラボの生産性を最適化しつつ、予算の制約に対応できます。システムの最高性能を維持し、ダウンタイムを最小限に抑え、アプリケーションにおける科学的課題に対処し、厳しい規制要件に対応することができます。

  • Structural Biology

Waters Capital で科学へのアクセスを促進

Waters Capital で科学へのアクセスを促進

Waters Capital の支払いオプションを使用してラボのリソースを最大化し、リスクを最小化します。これには、陳腐化した装置をアップグレードするための革新的なソリューション、カスタマイズされたサポート、完全なラボラトリーソリューション(つまりお客様のサイエンスの発展に必要なものすべて)を 1 つの簡単な月額払いにまとめた柔軟なオプションが含まれています。

  • Structural Biology

データがすべてを語る

データがすべてを語る
酵母エノラーゼのトリプシン分解ペプチド由来の 4 種類のペプチドにおける重水素の保持。
重水素の取り込みを表すために色分けされた CaM の結晶構造。10 秒間重水素標識したアポ CaM(A)とホロ CaM(B)を比較しました。カルシウム結合により立体構造が変化した強調表示した領域で、重水素の取り込みに大きな違いが観察されました。
アポ CaM およびホロ CaM において、同じペプチドに異なる重水素取り込みが見られました。標識時間 10 分で、このペプチド(FKEASLF, 12-19)はアポ(左図)の方がホロ(右図)よりも重水素取り込み量が多いことがわかりました。
A)さまざまな消化温度、B)反応停止ホールド時間、C)消化/脱塩流量における、完全に重水素化されたブラジキニンおよびアンジオテンシン II からの重水素の喪失の比較。質量分析計のイオン源による重水素の喪失が、5B 中の黒い境界線で示されています。通常圧力および高圧(5D)において、両方のペプチド中に類似の同位体プロファイルが見つかりました。高圧により、重水素の喪失がわずかに増加しました(5% 未満)。

アプリケーション

タンパク質の構造と機能の関係を理解することは、疾患のメカニズムを解釈する上での基礎になります。水素重水素交換質量分析は、タンパク質の高次構造を解釈する上で不可欠なツールになりました。

タンパク質の構造と機能の関係を理解することは、疾患のメカニズムを解釈する上での基礎になります。水素重水素交換質量分析は、タンパク質の高次構造を解釈する上で不可欠なツールになりました。


アプリケーションノート

アプリケーションノート

Webinar およびリソース



  • ブローシャー

HDX テクノロジー搭載 ACQUITY UPLC M-Class システムのカタログ

HDX テクノロジー搭載 ACQUITY UPLC M-Class システムのカタログ
  • ブローシャー

DynamX HDX データ分析ソフトウェア 3.0

DynamX HDX データ分析ソフトウェア 3.0
  • ポスター

HDX MS データの自動解析用のバイオインフォマティクスソフトウェアの新機能

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  • ポスター

カルシウム結合時のカルモジュリンタンパク質の立体構造変化調査のための水素重水素交換 MS(HDX MS)システム

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水素重水素交換-質量分析ソリューションの詳細はこちらから。

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タンパク質の 3D 構造
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