SELECT SERIES Cyclic IMS
無限の可能性、限界のない研究
焦点を絞った連携を通じて開発された SELECT SERIES Cyclic IMS は、新規のサイクリックイオンモビリティー分離と先進的な高性能飛行時間型質量分析を組み合わせることで、トップレベルの研究者による科学的発見を引き出すことを可能にします。
SELECT SERIES Cyclic IMS により、質量とモビリティーの両方に基づいてイオンを選択することができます。これは、アカデミアと産業界の双方における研究に比類のない柔軟性と性能をもたらすサイクリックイオンモビリティー(cIM)独自の機能です。イオンモビリティーと質量分析を併用することで、異性体を形状および m/z に基づいて分離し、イオンの衝突断面積(CCS)を測定し、非常にきれいなマススペクトルデータを得ることができます。
概要
- サイクリックイオンモビリティー(cIM)分離と Tof 質量分析を融合
- 究極のイオンモビリティー分離により、これまでにない分離を達成し、完全な信頼性を実現
- 独自の IMSn 実験により、選択性の向上と高度な特性解析を実現
- モビリティー前に質量を選択したり、モビリティーによりプリカーサーイオンおよびプロダクトイオンを選択したりすることが可能
- 3 つの明確なフラグメンテーション領域により、複雑な問題を解決するための実験の柔軟性が得られる
推奨用途:化学反応において共溶出する異性体代謝物の同定および迅速モニタリング
機能ヘッダー
究極のイオンモビリティー分離による成果の向上
装置設計と制御ソフトウェアにより、Tof データの取り込み、単一周回イオンモビリティー、サンプルの複雑さに合わせたモビリティー分解能のスケーリングといったさまざまな実験を行うことができます。イオンモビリティー分離は、モビリティー装置の長さ、つまり周回数に比例して向上します。
科学の潜在力を解放する
SELECT SERIES Cyclic IMS の独自の装置設計により、IMSn 分離などの高度なイオンモビリティー実験が容易になります。IMSn 分離により、特定のモビリティー範囲(例:特定の分子種のイオン)に対する分解能が拡張します。目的のモビリティーの範囲外のイオンを(取り込まずに)排出し、残りの分子種を cIM に残して、分離プロセスを続行します。この「トリミング」アプローチは何度も行うことができ、これを使用して、例えば、選択したイオンの特異性を向上させたり、複数周回実験でモビリティーの大きいイオンがモビリティーが小さいイオンに追いつく、cIM での「ラップアラウンド」を防いだりすることができます。周回数の異なる複数のサイクリックシーケンスを 1 つの複数周回 LC-MS メソッドで定義することができ、同じサンプルを複数回注入する必要性が減ることで生産性が向上します。
高度な構造解析の実施
IMSn 活性化は、高度な構造解析に最適です。モビリティー分離において、モビリティー分離された分子種のセグメントを切り出し、そのイオンをプレアレイストレージデバイスに送ります。不要なイオンが排出されるのに対して、保持されているイオンが、衝突誘起活性化/解離条件下で、必要に応じてアレイに再注入され、続いてモビリティー分離が行われます。次に、プロダクトイオンは、Tof に送られて検出されるか、さらに数ラウンドのモビリティー分離を追加して、独自の IMSn 機能を提供することができます。
DESI XS と Cyclic IMS によるイメージング質量分析
DESI XS と SELECT SERIES Cyclic IMS というユニークな組み合わせは、極めて優れた MS イメージング手法です。DESI XS は、例えば低分子医薬品や代謝産物、組織サンプル表面の脂質など、広範囲にわたる様々な分析種の空間分布を視覚的なマップにすることができます。そして、Cyclic IMS のユニークな機能と取り込みモードにより、包括的で詳細な実験を行うことができます。
感度の向上により、検出結果に対する確信が得られる
新規のサイクリックイオンモビリティー機能を補完し、データに完全な確信を得るために、SELECT SERIES Cyclic IMS には最新の ToF テクノロジーが搭載されています。XS トランスファーデバイスでは、イオンモビリティー分離の忠実度を維持すると同時に、絶対的な最高の飛行時間性能が得られるようにイオンビームをコンディショニングします。デュアルゲイン検出システムを搭載した新規のオフセット oa-Tof により、感度の向上、100,000(FWHM)を超える分解能、信頼性の高い精密質量測定(低 ppm)、およびダイナミックレンジの向上が得られます。
リソース
ドキュメント
- プロトマー形成はカフェイン代謝物の構造決定に役立つ可能性がある
- 生体分子研究のためのサイクリックイオンモビリティー質量分析法の進歩:メガダルトンレベルのタンパク質凝集体の構造動力学に向けて
- 蛍光試験および質量分析試験による 3 量体 Aβ のオリゴマー形成および細胞間相互作用の解析
- 分岐型 N 型糖鎖異性体の構造解析のための気相 MS 分析法の探索
- ガスクロマトグラフィー-(サイクリック)イオンモビリティー質量分析:未知のパーフルオロアルキル化合物およびポリフルオロアルキル化合物のディスカバリーのための新規プラットホーム
- 高分解能サイクリックイオンモビリティー分離における異性体および構造異性体に固有の質量分布に基づく同位体シフト
- ネイティブイオンモビリティー-質量分析および気相での遷移金属イオンのフェルスター共鳴エネルギー移動を用いた、ステープルペプチドの構造試験
- ガス(または液体)クロマトグラフィーサイクリックイオンモビリティー-質量分析におけるラップアラウンドを解決する
- サイクリックイオンモビリティー-質量分析で自己会合を利用したエナンチオマー組成の評価
- 高分解能 T-Wave に基づくサイクリックイオンモビリティー分離における一時的圧縮の有用性の評価
- 高分解能 T-Wave に基づくサイクリックイオンモビリティー分離における一時的圧縮の有用性の評価
- サイクリックイオンモビリティー質量分析を用いたペプチド医薬品中のアスパラギン酸異性体の迅速な局在性解析に向けて
- IM ベースのアプローチの組み合わせを用いた、治療用多重特異性 mAb に存在する 2 種類の配座異性体の共存の解明
- 電子捕獲解離およびサイクリックイオンモビリティー質量分析によるトップダウンタンパク質特性解析の向上
- 高分解能サイクリックイオンモビリティー分離を用いた、同位体置換に起因する相対モビリティーシフトの実験的測定
- 親水性相互作用液体クロマトグラフィー-サイクリックイオンモビリティー質量分析を用いた、ヘパラン硫酸オリゴ糖の位置異性体の分離
- サイクリックイオンモビリティー質量分析を使用したタンデムイオンモビリティー実験
- サイクリックイオンモビリティー-質量分析システム
- サイクリックイオンモビリティー質量分析による、五糖類のアノマーと開環型の区別
- サイクリックイオンモビリティー分析 T-Wave デバイスにおけるタンパク質イオンの気相での安定性
- T-Wave の性能に関する調査により、従来のイオンモビリティーシステムおよびサイクリックイオンモビリティーシステムによるフルオロキノロン系抗生物質残留物のプロトマーの特性評価が可能に