UPLC の入門ガイド
はじめに
2004 年の超高速液体クロマトグラフィー(UPLC テクノロジー)の導入により、セパレーションサイエンスは一変しました。装置およびカラムのテクノロジーが著しく進歩して、液体クロマトグラフィーの分離能、速度、感度が大幅に向上しました。分析ラボの課題に適合し、これを克服するために、パーティクルテクノロジーおよび装置設計に同時に起きたイノベーションを含む総合的なアプローチが初めて試みられました。これは、分析科学者の成功と、事業の利益と生産性の向上のために行われました。
クロマトグラフィー分離の効率を向上させるために、40 年以上の間、固定相の粒子サイズの縮小が利用されてきました。最近まで LC テクノロジーはプラトーに達しており、装置のバンドの広がりと圧力範囲の制限による悪影響のため、粒子径を小さくすることによるメリットは完全には実現できませんでした。
ACQUITY UPLC システム(図 1)によってこれらの障壁が取り除かれ、より小さな粒子(1.7 ~ 1.8 µm)を充塡したカラムによってその理論的性能に到達可能になると同時に、移動相を最大圧力 1030 bar(15,000 psi)まで送液できるようになり、新しいレベルのクロマトグラフィー性能が得られました。
UPLC テクノロジーにより、分離能、感度、速度の妥協のない向上が促進されています。分離の目標が、超高速分離の達成、分離能を維持しつつスループットを高める、分析時間を短縮しつつ分離能を向上させる、極めて高い分離能の達成のいずれであっても、ACQUITY UPLC システムの柔軟性により、分析法の要件に適合することができます(図 2)。
このテクノロジー入門書は、新規、既存、あるいは潜在的な UPLC ユーザーに、UPLC テクノロジーの仕組み、成功する秘訣、そしてこれによってどのように組織内で影響力のある結果をもたらすことができるかを理解する能力をつけさせるように設計されています。