LockSpray 精密質量イオン源
精密質量測定を簡素化
LockSpray デュアルエレクトロスプレーイオン源により、分析種とロックマス化合物のイオン源への直接共導入が最適化し、MS モードおよび MS/MS モードで、5 ppm 以内の RMS 質量精度(Xevo QTof MS では 3 ppm、Xevo G2 Tof シリーズ、Xevo G2 QTof シリーズ、SYNAPT G2 シリーズでは 1 ppm)で認証済み精密質量測定が行えます。
精密質量測定による特異性の向上により、代謝物プロファイリングやプロテオミクスアプリケーションにおける化合物やフラグメントの同定の有効性が向上します。
従来は、有効な精密質量測定値を得るために、内部レファレンスまたは「ロックマス」を使用して、分析の過程にわたって環境や実験条件の変動を補正していました。これは、メインの分析種のフローに適切なレファレンス化合物を添加することにより達成されました。しかし、この方法では、イオン化抑制、潜在的な質量干渉、溶媒グラジエント効果に悩まされることがよくありました。
LockSpray イオン源設計では、これらの制約を克服しています。
概要
LockSpray イオン源の操作
LockSpray イオン源では、従来のエレクトロスプレーインレットが、ロックマスレファレンス導入用の空気圧式エレクトロスプレープローブを含む新しいイオン源の筐体に置き換えられています。
プログラム可能なステッピングモーターで駆動する振動バッフルが、2 つのエレクトロスプレーストリームを別々にサンプリングします。レファレンススプレーは、あらかじめ設定された間隔でサンプリングされるため、取り込みのデューティサイクルでは分析種の液流が優先されます。
サンプリングのバッフル位置をリアルタイムでモニターすることで、2 つの液体インレットのインデックス作成が可能になり、レファレンスデータおよびサンプルデータが別々のファイルに保管されます。LockSpray イオン源設計により、分析種チャンネルとレファレンスチャンネル間のクロストークが排除され、精密質量データの完全性が確保されます。
装置適合性
LockSpray インタフェース/イオン源は、以下の MS 装置で使用できます。
- Xevo G2 QTof、Xevo G2-S QTof、Xevo G2-XS QTof
- Xevo G2 Tof、Xevo G2-S Tof、Xevo G2-XS Tof
- (MALDI)SYNAPT G2 MS/HDMS、(MALDI)SYNAPT G2-S MS/HDMS、(MALDI)SYNAPT G2-Si MS/HDMS
装置および据付
LockSpray インターフェース/ソースエンクロージャーには、低流速(約 10 µL/分)レファレンス供給プローブおよびスプレー選択ローターのインデックス付きステッピングモーター制御を追加したエレクトロスプレーソースインレットアセンブリーが含まれています。このインターフェースは、標準の同軸エレクトロスプレープローブと連動して動作します。Xevo QTof、Xevo G2 Tof/QTof シリーズ、SYNAPT G2 シリーズの LockSpray ソースエンクロージャーには、単独の ESI プローブが付属しています。
精密質量イオン源アセンブリーには、ウォーターズのフィールドサービスエンジニアによる据付・操作トレーニングが必要です。