魚類のレファレンス物質をケーススタディとして使用した、高感度 LC-MS/MS 分析法による動物製品中のパーフルオロアルキル化合物およびポリフルオロアルキル化合物(PFAS)の分析
要約
魚、肉、およびその他の動物由来の食品などの複雑な食品から PFAS が検出されてきています。アルカリ消化および弱陰イオン交換(WAX)固相抽出(SPE)を用いる以前に開発したメソッドを使用して、Xevo™ TQ Absolute タンデム四重極質量分析計に接続した ACQUITY™ Premier UPLC™ システムでの分析に適した抽出液を得ました。UPLC 分析法が更新されたことにより、時間効率が向上すると同時に、動物由来の食品サンプル中の既知の混入物(コール酸)を分離できるようになりました。エレクトロスプレーイオン化のより適切で高感度な代替法として、UniSpray™ を評価しました。これにより、ほとんどの PFAS について、レスポンス(ピーク面積)が 3 倍以上増加し、シグナル対ノイズ比が 1.5 倍に増加しました。溶媒標準に基づく装置感度では、PFBA(推定 0.05 µg/kg)以外のすべての PFAS について、分析法の推定定量限界が 0.025 µg/kg であることが示されています。2 種類の Fapas 魚類 PFAS レファレンス物質を使用して、全体的な分析法の性能を評価したところ、PFOS、PFOA、PFNA、PFHxS の全体的な回収率は 86 ~ 118% で、EURL POPs の PFAS 分析法に関するガイダンスドキュメントで規定されている許容範囲内でした。内部標準の回収率は(マトリックス増強が発生した FTreDA を除き)すべて 80 ~ 120% でした。全体として、レファレンス物質を使用して評価した分析法の性能は、ほとんどすべてのケースで、EURL POPs の PFAS ガイダンスドキュメントで規定されている分析法の性能要件を満たすまたは上回っており、抽出によって回収された PFAS 分析種の推定定量限界は 0.025 µg/kg 以下でした。
アプリケーションのメリット
- 以前の UPLC 分析法と比較して、時間効率が向上し、サンプルの分析時間が短縮し(LC の実行時間が 50% 短縮)、動物由来の食品サンプル中の PFOS に干渉する既知物質が分離されている
- PFAS 分析種の UniSpray イオン化による感度向上により、LC-MS/MS システムでの注入量およびマトリックスのロード量が低減
- 新規のアイソレーターカラムおよび PFAS キットによる UPLC の改良によってシステムおよび溶媒への混入物質が最小化したことにより、結果に対する信頼性が向上
はじめに
近年、パーフルオロアルキル化合物およびポリフルオロアルキル化合物(PFAS)に対する懸念が増大していますが、この懸念は環境汚染に関するものとは限りません。食品からの摂取が、人への曝露の重要な経路であることが認識されてきています。2020 年、欧州食品安全機関(EFSA)は、2007 ~ 2018 年の調査期間中に、食事を介した人への曝露に最も大きく寄与する魚、肉、卵、フルーツ/フルーツ製品を特定しました。この調査を基に、EFSA は、4 種類の PFAS(PFOA、PFNA、PFHxS、PFOS)の合計で体重 1 kg あたり 4.4 ng という推奨耐容週間摂取量(TWI)を設定しました1。
より最近の 2022 年には、欧州連合(EU)により、動物由来の特定の食品サンプル中の PFAS 最大残留レベルに関する法制が改訂されました2。 これには、食品中の PFAS のサンプリングおよび分析に関する規制も含まれていました3。 2022 年にリリースされた推奨事項には、どの PFAS を分析すべきか、またその分析に関心が持たれる追加の PFAS について概説されており3、その多くは、公表済みのアプリケーションノートで以前に報告されています4。2022 年、EURL POPs は、予想される分析法の性能および定量限界に関するより詳細な情報が含まれる PFAS 分析法のガイダンスをリリースしました5,6。
以前のアプリケーションノートで、動物由来の食品中の 30 種類の一般的な PFAS のアルカリ抽出および SPE クリーンアップに関する包括的なデータセットを提示および説明しました4。 この試験の焦点は、最新のアイソレーターカラムで改良した ACQUITY Premier UPLC システム、および UniSpray イオン源を搭載した Xevo TQ Absolute タンデム四重極質量分析計に取り付けた PFAS キットを使用して得られる、感度の向上および分析時間の短縮について実証することでした。
実験方法
サンプル前処理
均質化したブランクの白身魚、魚類の QC 物質(T0696QC)、魚類のレファレンス物質(TBK011RM)は、Fapas®(UK)から購入しました。サンプルはすべてフリーザー(-20 ℃)で保管し、冷蔵庫(4 ℃)中で一晩解凍してから抽出しました。標準試料はすべて、Wellington Laboratories 社から購入しました。分析法には、カルボン酸塩(C4 ~ C14)、スルホン酸塩(C4 ~ C10)、エーテル(GenX、ADONA、9Cl-PF3ONS、11Cl-PF3OUdS)、前駆体(FBSA、FHxSA、FOSA、NMeFOSAA、NEtFOSAA、4:2 FTS、6:2 FTS、8:2 FTS)などの計 30 種の PFAS が含まれていました。
抽出の前に、2 g のサンプルを 50 mL の遠心チューブに量り取り、抽出標準(MPFAC-24ES および M3-HFPODA)をスパイクしました。各サンプルに 0.02 M 水酸化ナトリウムを含む 10 mL のメタノールを添加しました。サンプルは、500 RPM にセットしたプラットホームシェーカーを使用して 1 時間振とうしました。振とう後、サンプルを 4 ℃ で 10 分間、4000 RPM で遠心分離しました。抽出後、0.5 mL の上清を 14.5 mL の水で希釈して、PFAS 用 Oasis™ WAX、6 cc、150 mg カートリッジ(製品番号:186009345)での固相抽出(SPE)に備えました。SPE の前にサンプルの pH を調整するため、すべてのサンプルに 50% ギ酸水溶液 4 µL を添加しました。完全な SPE 手順は、図 1 のステップ 2 ~ 5 で詳しく説明しています。
0.005 ~ 1 ng/mL(0.025 ~ 5 µg/kg に相当)の範囲の溶媒検量線をサンプルの分析に使用しました。
標識標準
サンプル前処理の前に抽出標準(内部標準と呼ばれることが多い)を 1 µg/kg でスパイクし、これを用いてネイティブ化合物の回収率およびマトリックス効果を補正しました。サンプルのクリーンアップ後、再溶解した際に注入標準(しばしば回収率標準と呼ばれる)を加え、これを用いて再溶解における抽出標準のばらつき、マトリックス効果、注入時のばらつきを補正しました(1 µg/kg に相当)。抽出標準および注入標準の存在により、ルーチンサンプル分析ではマトリックス添加は不要でした。この方法については、以前に公表したアプリケーションノートで説明されています7。
Unispray イオン化およびエレクトロスプレーイオン化の比較
この目的で得たデータセットを同じ LC-MS/MS システムで実行し、同じ移動相、キャリブレーションスタンダード、サンプル抽出物を用いて分析しました。分析は互いに間隔 24 時間以内で完了しました。これは、得られる結果セットに影響する可能性のあるシステム間のばらつき、移動相組成のわずかなばらつき、レスポンスの変化をすべて低減するためでした。
分析法の性能の評価
クリーンな「PFAS が含まれない」魚のサンプルが得られないため、溶媒標準を使用して、キャリブレーション範囲 0.005 ~ 1 ng/mL にわたって装置の検出限界を推定しました。全体的な分析法の性能を、白身魚の 2 種類の Fapas レファレンス物質を使用して、T0696QC については 5 回繰り返し、TBK011RM については 4 回繰り返し抽出して評価しました。次に、これらの繰り返しの結果を、EURL POPs のPFAS ガイダンスドキュメントに規定された基準に照らして評価しました5。
LC 条件
LC システム: |
PFAS 分析キットを取り付けたACQUITY Premier UPLC |
バイアル: |
スリット入りキャップ(製品番号:186000305)付きポリプロピレン製オートサンプラーバイアル(製品番号:186005219) |
分析カラム: |
ACQUITY Premier UPLC BEH™ C18、2.1 × 50 mm、1.7 µm(製品番号:186009452) |
アイソレーターカラム: |
Atlantis™ Premier BEH C18 AX カラム、2.1 × 50 mm、5 µm(製品番号:186010926) |
カラム温度: |
35 ℃ |
サンプル温度: |
4 ℃ |
注入量: |
5 µL |
流速: |
0.3 mL/分 |
移動相 A: |
2 mM 酢酸アンモニウム水溶液 |
移動相 B: |
2 mM 酢酸アンモニウム含有メタノール/アセトニトリル溶液(v/v、1/1) |
グラジエントテーブル
MS 条件
MS システム: |
Xevo TQ Absolute |
イオン化モード: |
UniSpray ネガティブ |
イオン源温度: |
100 ℃ |
インパクター電圧: |
0.9 kV |
脱溶媒温度: |
350 ℃ |
脱溶媒流量: |
900 L/時間 |
コーンガス流量: |
150 L/時間 |
MRM メソッド: |
MRM メソッドの詳細については、付録を参照してください |
データ管理
ソフトウェア: |
定量のための waters_connect™ |
結果および考察
LC 分析法の効率および干渉するマトリックス化合物からの分離の向上
分析ピークからの潜在的なバックグラウンド汚染物質の分離を改善するため、ACQUITY Premier UPLC システムで使用していたアイソレーターカラムを、Atlantis Premier BEH C18 AX アイソレーターカラムに変更しました。ラボでメタノールの供給メーカーを変更した際に、PFBA および PFOA を含む「自然に汚染された」移動相が確認されました。この移動相を、BEH C18 AX アイソレーターカラムの性能評価に使用しました。図 2 に、移動相に由来する PFBA および PFOA による汚染物質からの分離を、両方の分析種の分析ピークに関連して示します。この図からわかるように、アイソレーターカラムはシステム汚染物質に対して効果的に対処しており、移動相汚染物は PFAS の分析ピークから 30 秒以上分離されています。
ウォーターズは以前、ACQUITY BEH C18、2.1 × 100 mm カラムを使用した、動物由来の食品サンプル中の PFAS のための UPLC 分析法を開発しており、この分析法の分析時間は 22 分でした4。 まずカラム寸法を 2.1 × 100 mm から 2.1 × 50 mm に縮小することでサンプルスループットを調べました。この分析法を Waters カラムカリキュレーターを使用して変換しました8。 カリキュレーターに従って、注入量も 10 µL から 5 µL に減らし、LC システムへのサンプル注入量の低減の利点を活用しました。50 mm カラムを使用する分析法を、主に内臓および卵のサンプル中のコール酸という既知の問題に焦点を当てて試験しました4。 図 3 に、分析法を直接変換する方法およびコール酸の共溶出によって発生する問題の例を示します。
以前の研究から、有機移動相の組成を調整することで、コール酸からの分離が改善することがわかっています。アセトニトリルとメタノールの比を系統的に変化させたところ、50/50(v/v)メタノール/アセトニトリル混合液の使用により、分析結果を損わずに LC 分析法の時間効率を最適化できることが確認されました。PFOS からのコール酸の分離を図 4 に示します。
分析法の検出能の向上(エレクトロスプレーイオン化と UniSpray イオン化の比較)
すでに公表されているいくつかのアプリケーションノートでは、エレクトロスプレーと比較した場合、UniSpray の使用によりレスポンスおよびシグナル/ノイズ比が向上するというメリットが実証されています9,10。 UniSpray およびエレクトロスプレーを使用した場合の標準試料のレスポンス(ピーク面積)の比較をキャリブレーション範囲(0.005 ~ 1 ng/mL)全体にわたって計算したところ、全般的に、UniSpray を使用した場合に分析種のレスポンスが 4 倍以上高いという結果になりました(ただし、PFTriDA および PFTreDA は例外で、3 倍以上高いレスポンスでした)。ポイント間で計算したシグナル/ノイズ比(S/N 比)を比較すると、S/N 比の有意な増加が見られないのは PFBA のみでした。他の PFAS 分析種では S/N 比が 1.5 倍以上向上しており、多くの場合 2 倍に向上しています。図 5 に、さまざまな PFAS クラスで認められた向上をより詳細に示しています。
レスポンスと S/N 比の両方におけるこの向上は、分析法の性能評価の一環として分析した魚類のレファレンス物質でも認められました。魚類のレファレンス物質でも、レスポンスおよび S/N 比の同様の向上が認められました。図 6 に、レファレンス物質について UniSpray で得られたレスポンスを、同じサンプルについてエレクトロスプレーで得られたレスポンスと比較して示します。
レファレンス物質を用いた分析法の性能評価
分析法の性能を、Fapas から購入した 2 種類の魚類のレファレンス物質を使用して評価しました。分析法の性能基準は、EURL POPs ガイダンスドキュメントからのものを使用しました5。 簡単に説明すると、キャリブレーションスタンダードの残差は記載値の +/- 20% です。ネイティブ化合物の回収率の値は 80 ~ 120% で、RSD% は ≤20% である必要があります。内部標準の回収率は、注入標準のレスポンスから算出し、35 ~ 140% である必要があります5。
マトリックスブランク試料として使用する真に汚染されていないサンプルを見つけるのは難しいため、0.005 ~ 1 ng/mL(サンプル中 0.025 ~ 5 µg/kg に相当)の範囲にわたる溶媒標準でシステムをキャリブレーションしました。キャリブレーショングラフから推定される、すべての PFAS 分析種についての分析法の LOQ は、(試薬ブランクで確認された汚染の問題による)PFBA の 0.05 µg/kg を除き、0.025 µg/kg 近辺でした。このキャリブレーション範囲は、ネイティブ化合物の標準試料に同梱されている分析証明書に基づいて、解析ソフトウェアで調整したものです。分岐型異性体である PFOS および PFHxS は、(直鎖型内部標準を使用して)それぞれの直鎖型に対して定量しました。すべてのキャリブレーショングラフの残差は +/- 20% 以内であり、すべての R2 値は 0.99 以上で直線的なレスポンスを示しました。図 7 に、食品中の 4 種類の規制対象 PFAS 分析種(PFOA、PFNA、PFHxS、PFOS)の代表的なキャリブレーショングラフを示します。
2 種類の Fapas® レファレンス物質を使用して、これらの物質からの PFAS の回収率を確認するために用いたレファレンス値に基づいて真度および併行精度を決定しました。いずれのレファレンス物質についても合否基準 80 ~ 120% が設定されており、これらの合否基準が満たされていました。併行精度(RSD(r)%)も評価し、すべてのケースで EURL POPs の PFAS ガイダンスドキュメントで指定されている値 20% より低く、最大値は 14% でした5。図 8 に 2 種類のレファレンス物質の結果を割り当て値と比較して示します。
内部標準の回収率を、注入標準を使用して、EURL POPs PFAS ガイダンスドキュメントの以下の計算に基づいて評価しました6。
RIILS = (SILIS/mILIS) ÷ (SRS/mRS) x 1/RRFILIS x 100
mILIS:被験サンプルに添加した内部標準(ILIS)の量(µg)
mRS:最終抽出液中の回収標準(RS)の量(µg)
SILIS:内部標準のレスポンス(ILIS)
SRS:回収標準(RS)のレスポンス
RRFILIS:内部標準の相対レスポンス係数(ILIS)
回収されなかった FOSA および指定限界値 140% を超えた PFTreDA を除くと、すべての内部標準が 80 ~ 120% の範囲内で回収されました。この範囲は、EURL POPs PFAS ガイダンスドキュメントに記載されている指定範囲 35 ~ 140% よりも大幅に小さい範囲です5。 FOSA は中性 PFAS であり、メタノール洗浄段階で SPE カートリッジから洗い流されるため、回収されないのは予想通りでした。PFTreDA の回収率がより高いことは、イオン源内でのマトリックス効果によって合理的に説明できます。これにより、PFTreDA のレスポンスは、注入標準として存在する標識 PFDA よりも高くなるように増強されます。この現象はいずれのイオン源(UniSpray とエレクトロスプレー)でも観察されました。図 9 に、両方の魚類のレファレンス物質からの内部標準の回収率の結果を示します。
結論
Atlantis Premier BEH C18 AX アイソレーターカラムにより、移動相から UPLC システムに達する汚染物質と PFAS 分析種の分析ピークの分離が改善しました。UPLC 分析法の改善により、分析法の時間効率の向上、サンプルスループットの向上、動物由来の食品サンプル中の既知の干渉物質(コール酸)からの分離が得られています。UniSpray では、エレクトロスプレーと比較して、調査対象の化合物のレスポンスおよびシグナル/ノイズ比の値が大幅に向上しています。全体として、レファレンス物質を使用して評価した分析法の性能は、ほとんどすべてのケースで、EURL POPs の PFAS ガイダンスドキュメントで規定されている分析法の性能要件を満たすまたは上回っており、抽出によって回収された PFAS 分析種の推定定量限界は 0.025 µg/kg 以下でした。
参考文献
- Schrenk D, Bignami M, et al, EFSA Panel on Contaminants in the Food Chain (EFSA CONTAM Panel), Risk to Human Health Related to the Presence of Perfluoroalkyl Substances in Food.EFS2, 2020;18(9).
- Commission Regulation (EU) 2022/2388, Amending Regulation (EC) No 1881/2006 as Regards Maximum Levels of Perfluoroalkyl Substances in Certain Foodstuffs, L 316/38, 8.12.2022.
- Commission Recommendation (EU) 2022/1431, on the Monitoring of Perfluoroalkyl Substances in Food.L 221/105, 26.8.2022.
- Organtini K, Adams S, Hird S, Jandova R, Total Workflow for the Sensitive Analysis of Per- and Polyfluoroalkyl Substances (PFAS) in Fish, Meat, Edible Offal, and Eggs, Waters Application Note, 720007482, 2022.
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Appendix Table
720008108JA、2023 年 10 月