NanoLockSpray 精密質量イオン源
NanoFlow LC-MS モードと LC-MS/MS モードの両方での精密質量測定
NanoLockSpray デュアルエレクトロスプレーイオン源により、NanoFlow LC-MS および LC-MS/MS の両方の動作モードで、認証済み精密質量測定を行えます。このイオン源は、イオン源への分析種とロックマス化合物の最適な直接共導入により、精密質量データを取得するための優れた代替手段になります。
精密質量測定による特異性の向上により、代謝物プロファイリングやプロテオミクスアプリケーションにおける化合物またはフラグメントの同定の有効性が向上します。
概要
精密質量測定
(MALDI)Synapt G2 MS/HDMS シリーズ、Xevo G2 Tof、および Xevo G2 QTof シリーズの装置では通常、質量精度は 1 ppm です。
従来は、有効な精密質量測定値を得るために、内部レファレンスまたは‘ロックマス」を使用して、分析の過程にわたって環境や実験条件の変動を補正していました。これは、メインの分析種のフローに適切なレファレンス化合物を添加することにより達成されました。しかし、この方法では、イオン化抑制、潜在的な質量干渉溶媒グラジエント効果に悩まされることがよくありました。
NanoLockSpray イオン源設計は、これらの制約を克服しています。
NanoLockSpray イオン源の動作
NanoLockSpray イオン源では、従来のエレクトロスプレーインレットが、ロックマスレファレンス導入用の空気圧式エレクトロスプレープローブを含む新しいイオン源の筐体によって強化されています。
2 つのエレクトロスプレーは、プログラム可能なステッピングモーターによって駆動される振動バッフルにより、排他的にサンプリングされます。レファレンススプレーは、取り込みのデューティサイクルが、分析種を含む液体流を優先するように、事前定義された間隔でサンプリングされます。
サンプリングバッフルの位置がリアルタイムでモニタリングされるため、2 つの液体インレットのインデックス作成が可能であり、レファレンスデータとサンプルデータを別々のファイルに保存することができます。このイオン源の設計により、分析種チャンネルとレファレンスチャンネルの間のクロストークがなくなり、精密質量データの完全性が確保されます。
これらの設計特性の結果として、NanoLockSpray デュアルエレクトロスプレーイオン源は、NanoFlow LC-MS/MS による精密質量データ取り込みに最適化されており、プロテオミクス研究や低レベルの代謝物同定に適しています。
装置および据付
NanoLockSpray イオン源アセンブリー/エンクロージャーには、レファレンス化合物を供給するための低流速(< 1 µL/分)エレクトロスプレー NanoFlow プローブインレットが、スプレー選択バッフルのインデックス付きステッピングモーター制御とともに備えられています。また、分析種 Nanospray デバイスの位置決めを補助するために、アジャスターアセンブリーとエンドスコープビューアーも用意されています。
Xevo Tof/QTof シリーズおよび SYNAPT シリーズの装置用の NanoLockSpray イオン源には、エンドスコープビューアーの代わりに、カメラアセンブリーおよび LED 光源とともに、追加のユニバーサル NanoFlow スプレーも組み込まれています。分析種スプレーのイメージが、装置の PC ワークステーションに表示されます。
Nanoflow 精密質量イオン源アセンブリーには、ウォーターズのフィールドサービスエンジニアによる据付・操作トレーニングが必要です。
装置適合性
NanoLockSpray インターフェース/イオン源は、以下の MS 装置で使用できます。
- (MALDI)SYNAPT G2 MS/HDMS、(MALDI)SYNAPT G2-S MS/HDMS、(MALDI)SYNAPT G2-Si MS/HDMS
- Xevo G2 Tof、Xevo G2-S Tof、Xevo G2-XS Tof
- Xevo G2 QTof、Xevo G2-S QTof、Xevo G2-XS QTof