RapiZyme トリプシン(質量分析(MS)グレード)
迅速かつクリーンで、完全なタンパク質消化を達成します。
バイオ医薬品のペプチドマッピングやボトムアッププロテオミクスにおけるタンパク質消化では、長時間の消化および複雑な性能の二律背反に悩まされます。高い再現性、低アーティファクト、完全なシーケンスカバー率を維持すると同時に、速度と消化の完全性のバランスをとることも持続的な課題です。さらに、データ分析での生産性は、多くの場合、さまざまなトリプシン以外のピーク(切断欠損、自己消化によるピーク、非特異的切断、未同定ピーク)に起因する面倒なマップによって妨げられます。そのような多数の小さな予想しないピークでは、その同定に多大な時間が必要であり、重要な作業の速度が遅くなります。
RapiZyme トリプシン(質量分析(MS)グレード)では、極めて高い自己消化耐性、高純度、活性の向上により、妥協のない速度とクリーンな消化の実現が可能になります。RapiZyme トリプシンは、市場で最も進んだトリプシンでさえも悩まされる自己消化を実質的に解消することにより、比較的高濃度で使用することができ、高温を使用することなく、消化の完全性を犠牲にすることなく、より迅速な消化が達成されます。その結果、サンプルの処理時間、ラボの運用が向上し、さらに最も重要なこととして、重要な意思決定が確信を持って迅速に行われます。
仕様
概要
- 自己消化耐性により、高い酵素:タンパク質(E:P)比率の使用が可能になり、高い温度を使用せずに 30 分間での効率的な消化を達成
- よりクリーンなベースラインにより、より生産性の高いデータ分析を実行
- 高いシーケンスカバー率により、自信を持って特性解析と同定を実施
- 化学的に最適化された遺伝子組換え発現ブタ配列トリプシンで再現性と予測可能性を達成
- LC-MS 適合賦形剤とともに凍結乾燥することにより、安定性、バイアルからの回収率、再溶解時の活性が向上して、一貫した性能が得られる
- 優れた頑健性および柔軟性により、さまざまなワークフローを強化するプロトコルでの使用に対応
推奨用途:バイオ医薬品のペプチドマッピングまたはボトムアッププロテオミクスで、タンパク質消化の向上を達成する。
RapiZyme の作用機序
RapiZyme トリプシンは、化学的に最適化された遺伝子組換えトリプシンです。動物由来ではないため、キモトリプシンによる汚染がなく、L-(トシラミド-2-フェニル)エチルクロロメチルケトン(TPCK)阻害剤による処理は不要で、非特異的消化に関連する課題を回避できます。
迅速な消化
RapiZyme トリプシンは、広範で均質なメチル化により、非常に高い自己消化耐性を持つようになっています。これにより、RapiZyme トリプシンを高い E:P 比率(例:1:5)で使用でき、高い温度を使用せずに、わずか 30 分で完全に消化されます。Remicade® をケーススタディとして使用した場合、RapiZyme トリプシンでは、自己消化によるピークが 0.1% 未満、切断欠損率が 1% 未満です(合計 TIC レスポンスに対する割合として測定)。業界をリードする他社製トリプシンでは、同じ条件下で、自己消化によるピークが 6 ~ 7%、切断欠損率が 4 ~ 5% です。
クリーンなベースライン
重要な決定は、マップ中の最小の変化を認識することによって行われます。規制機関は、すべてのピークの同定を要求します。未同定ピーク、アーティファクトのピーク、自己消化のピーク、切断欠損のピークはすべて、時間のかかる不要なノイズです。これらには、余計な科学的レビューや分析が必要であり、トリプシン以外のピークやトリプシン自体の消化の in-silico モデルに由来する自己消化によるピークが含まれている場合、その本質を突き止めるためのソフトウェア解析に膨大な時間を費やすことになります。
RapiZyme トリプシンを使用すると、ノイズやアーティファクトのピークのないきれいなベースラインが得られ、確信を持って迅速に作業を進めることができます。すべてが 30 分の消化で可能になります。
再現性と純度 – ご使用のトリプシンに何が含まれていますか?
RapiZyme トリプシンは、均一にメチル化された遺伝子組換え(動物由来でない)トリプシンであり、キモトリプシンが含まれていません。さらに、LC-MS 適合賦形剤とともに凍結乾燥されているため、再溶解が簡単で予測可能であり、バイアルからの回収率が向上します。
その結果、バッチ間および消化反応間の両方で優れた再現性が得られます。
柔軟な使用
RapiZyme トリプシンは、(溶液であれ固定化したものであれ)トリプシンに期待するすべてのことおよびそれをはるかに上回ることを達成することができます。RapiZyme トリプシンにより、以下のようなことが可能になります:
- MAM、PTM モニタリング、バイオプロセシング、プロテオミクスアプリケーションでの脱塩の解消および一貫性の向上。RapiZyme トリプシンでは、少量のグアニジン HCl によって高い活性が保持される
- グアニジン HCl を 0.5 ~ 0.7 M に希釈し、酵素:タンパク質比率 1:5(pH 7.5)で 2 時間で消化する
- 一晩中の消化が望ましい場合でも、消化効率を損なわない、あらゆるアプリケーションでのアーティファクトのコントロール
- 酵素:タンパク質比率 1:100、室温、pH 6.5 での一晩中の消化
- 従来の酵素:タンパク質比 1:20 での消化が 1 ~ 3 時間に加速され、さらに柔軟性が高まる
- 加熱および固定化した酵素の必要性が解消されることによる、熱的に安定な RapiZyme を使用した、より簡単で容易なタンパク質消化
- 酵素:タンパク質比率 1:10 で、70 ℃ で 1 時間で消化