Xevo TQ-GC 質量分析システム
ラボに新機能を
規制対応に関するラボへの要求が高まっています。ラボはこの問題に対応するために、いつでも高品質で一貫性のある結果が得られる分析法を開発し、分析を実施していかなければなりません。
Xevo TQ-GC は、堅牢な電子衝突(EI)・化学イオン化(CI)ガスクロマトグラフィー(GC)-MS/MS プラットホームであり、マトリックスサンプル中の複数の汚染物質のルーチン定量が可能になります。Xevo TQ-GC は、規制限界を満たすのに必要な感度を一貫して上回るため、頻繁なユーザー操作や再最適化の必要性が軽減します。また、MassLynx ソフトウェアセキュリティーはユーザーのアクセスを管理し、ラボの規制遵守が容易になります。
さらに、Quanpedia を活用して分析メソッドを迅速に開発でき、法規制等の要求における問題やメソッドのカスタマイズで生じる問題にすばやく対応可能です。Xevo によってもたらされるスピード、感度、信頼性のすべてを GC-MS/MS に取り込むことにより、より効果的なソリューションを提供します。
仕様
イオン源 |
EI(標準)、CI(オプション) EI から CI への交換、およびイオン源のクリーニングは工具不要です。 |
ユーザーフレンドリーなイオン源設計 |
簡単に組み立てられるイオン源は複雑なマトリックスサンプルの測定にも対応可能 イオン源チャンバーの取り外しおよびイオン化モードの切り替えがより迅速 ルーチンメンテナンスのためのシステムシャットダウンがワンクリックで完了 ユーザーにより変更可能な内部キャリブレーション試薬 イオン源温度を最高 250 ℃ に制限、過剰なフラグメント化を避けると同時にクロマトグラフィーの高性能を保持 |
EI フィラメント |
デュアル EI イットリウムコーティング長寿命フィラメント |
電子エネルギー |
範囲 10 ~ 200 eV |
ポンプダウン時間 |
わずか 15 分で、加熱されていない大気開放した装置を動作圧力(3e⁻⁵ mBar)までポンプダウンし、 動作温度(イオン源 250 ℃、トランスファーライン 350 ℃)に到達可能 |
イオン源輸送光学系 |
革新的なユーザーフレンドリー設計で、組み立てミスを回避 トレーニング時間および再組立てによるエラーを低減 |
質量分析計 |
高い安定性を持つ 2 つの四重極アナライザー(MS1/MS2)にプレフィルターを加え、分解能と透過率を向上させると同時にメイン分析計の汚染を防止 |
コリジョンセル |
革新的な曲線形 T-Wave により、準安定状態のヘリウムイオンと中性分子をブロックし、ベースラインノイズを低減します。T-Wave コリジョンセルは、データの高速取得時でも、感度ロスを最小限に抑え、最適な MS/MS 性能を得るように自動的に時間設定を行えます。 |
検出器 |
低ノイズ、オフアクシス、長寿命のフォトマルチプライヤー検出器 |
真空システム |
ソースおよび分析計を真空にするための、スプリットフロー空冷式真空ターボ分子ポンプ 1 台、真空バッキングポンプ 1 台 |
寸法 |
幅:97.0 cm(38.2 インチ)、GC および MS を含む 高さ:59.3 cm(23.3 インチ) 奥行き:91.3 cm(36.0 インチ) |
規制当局の承認 |
CE および NRTL |
ソフトウェア |
MassLynx バージョン 4.2 でサポートされ、TargetLynx XS アプリケーションマネージャーも標準装備 |
IntelliStart テクノロジー |
本システムは、簡単にアクセスできるように設計されており、レファレンス化合物を用いたイオン源チューニング、質量分解能、キャリブレーションを自動的に実行します。さらに、温度、フィラメント設定、ピーク形状、ピーク分解能、ピーク位置、ピーク比率、装置真空度に対する、複数のシステムヘルスチェック機能があります |
定量メソッドデータベース |
Quanpedia – ユーザー定義の GC/MRM 分析メソッドと解析メソッドを格納した、共有型のデータベース Quanpedia™ を標準装備。既知の化合物のターゲット定量を容易に実行できます。多くのアプリケーション用の Quanpedia データベースがあり、弊社ホームページからダウンロードできます。 |
自動 MRM スケジューリング (取り込みレートの割り当て) |
オートデュエル機能を使用して、複数の MRM 測定での各チャンネルのデュエルタイム、インターチャンネルディレイタイム、インタースキャンディレイタイムを自動的に割り当てて、取り込んだクロマトグラフピークに対して適切な MRM データポイント数を確保することが可能です。オートデュエル機能により、MRM サイクル時間をダイナミックに最適化し、多成分一斉測定における保持時間が部分的または完全にオーバーラップする測定にも対応。これにより、一回の測定の化合物数には関係なく、MRM メソッドの作成が大幅に簡素化され、同時にあらゆる実験で最高の定量性能が確保されます。 |
自動 MRM スケジューリング (取り込みウィンドウの割り当て) |
モニターする各 MRM チャンネルのサイクル時間を最適化するために、保持時間ウィンドウを使用して、各 MRM チャンネルごとにスケジュールすることができます(データベースを使用してマニュアルまたは自動で)。必要に応じて、MRM の保持時間ウィンドウを他の MRM チャンネルと部分的または完全にオーバーラップさせることができます。これにより、MRM データ取り込みレートが、すべての化合物の定量分析に対して最適化されることが保証されます。 |
取り込みモード |
フルスキャン MS プロダクトイオンスキャン プリカーサーイオンスキャン 選択イオンレコーディング(SIR) マルチプルリアクションモニタリング(MRM) フルスキャンと MRM の同時実行(RADAR) |
プロダクトイオン確認(PIC)モード |
MRM 取り込みがプロダクトイオンスペクトルの取り込みのトリガーとして機能し、プロダクトイオンスペクトルを自動取得 |
RADAR |
情報量豊富なデータ取得アプローチであり、ターゲット分析の非常に選択性の高い定量データを取得できるのと同時に、NIST で検索可能なフルスキャンスペクトルが得られます。 |
質量範囲 |
m/z 2 ~ 1,250 |
概要
- 単一のソフトウェアワークフローで GC-MS/MS および LC-MS/MS を実施できるため、習得にかかる期間が短縮し、費用も低減
- Quanpedia データベースを活用するワークフローにより、包括的なアプリケーションを実現
- 優れた性能により、分析の困難なマトリックスにおける規制値未満の定量も容易に可能
- 液体、ヘッドスペース、固相微量抽出(SPME)分析など、幅広い注入モードから選べる
- MassLynx セキュリティにより、規制要件に従って GC-MS システムへのアクセスを管理できる
- 迅速で間違いのないメンテナンスをするためのイオン源設計による作業の簡素化
推奨用途:抽出マトリックスサンプル中の複数の汚染物質のルーチン定量。
機能ヘッダー
成功のために稼働時間を最大化
Xevo TQ-GC は、信頼性が高く予測可能な結果を確実にもたらすことを見据えて装置設計されています。このシステムは、定期的なメンテナンスに費やす時間を減らし、ラボの仕事量に合わせたメンテナンススケジュールにより稼働時間を最大化し、ダウンタイムを最小限に抑えるように、厳密なテストが行われています。
貴重な時間を長時間の装置のセットアップに費やさないように、Intellistart 正常性チェックでは、システムの注入準備ができているか、またそうでない場合にはどのように状況を改善できるかを知らせます。装置のメンテナンスには多くの工具は不要です。メンテナンスが必要な場合にも、迅速かつ間違いのないように設計されています。
効率と柔軟性を実現
忙しい分析ラボでは、定期的に需要が変動し、処理時間短縮の要求が増える場合には、時間は特に貴重です。Quanpedia を使用すると、さまざまなサンプルマトリックス、ターゲット分析化合物、ガスクロマトグラフィー(GC)条件に容易に対処することができます。完全にカスタマイズ可能なデータベースには、規制に最も関連する化合物群が含まれているため、規制の変更に対応する柔軟性を心配する必要はありません。また既存の分析法の変更が迅速かつ簡単に行えます。カラムメンテナンスの際に生じる保持時間の変化を考慮したマルチプルリアクションモニタリング(MRM)トランジションの自動スケジュールを使用することで、分析法開発にかかる時間を短縮することができます。
1 回の分析に含まれる化合物数を増やすことで、処理時間を短縮することもできます。これによりパフォーマンスを大きく低下させることなく、最大 500 MRM/秒の取り込み速度が可能になります。これにより、より多くの MRM トランジションを分析に追加することができると同時に、質の高い結果を得ることができます。
ターゲット分析の全体像を把握する
ターゲット分析を行う場合、検出されない干渉物質や予期しない化合物に関連するメソッド性能やデータの質に対するリスクが低減します。RADAR では、NIST ライブラリーの確認で特にターゲットとされない分析種を検出・確認し、予期せぬ汚染物質をルーチンで特性解析する機能により、分析法開発が改善し、トラブルシューティングが支援されます。この付加情報により、データを完全に信頼し、追加の確認分析を回避することができます。
規制要件に自信を持って対応
結果の信頼性を確保するために、ほとんどの分析者は規制限度以下で快適に操作することを望んでいます。Xevo TQ-GC の信頼できる高い性能と、ウォーターズの LC プラットホームと GC プラットホームの共通のアプリケーションマネージャーである TargetLynx によって、この信頼性を得ることができます。したがって、完全な分析化合物の定量、結果の簡単な確認、カスタマイズ可能なレポートを提供するだけでなく、データ解析を簡素化し、結果を得るまでの時間を短縮する異なる装置タイプ間の共通プラットホームも提供します。
Waters MassLynx Basic Security を利用して装置を管理します。GC-MS システムへのアクセスを管理する必要があるラボに理想的。MassLynx Basic Security には、査察および認定に備えてトレーサビリティーを追加するためのイベントオーディットログが含まれており、その機能は TargetLynx ソフトウェアでも使用できます。