バイオ医薬品のための waters_connect
バイオ医薬品分析の加速
複雑な最新のバイオ医薬品やワクチンの効率的な分析には、データおよび結果の取り込み、解析、レビュー、レポート作成のための効果的で統合されたワークフローが必要です。これらの分析は、インタクト分子、タンパク質サブユニット、消化済みペプチド、標識遊離糖鎖など、複数のレベルで行われます。
バイオ医薬品のための waters_connect は、規制準拠し、ネットワーク化されたインフォマティクスプラットフォームと合理化されたバイオ医薬品ワークフローを提供して、LC-MS システムを組織全体にわたって統合します。製品やプロセスの特性解析から、よりターゲットを絞った特性モニタリングやリリースアッセイまで、サンプルから使用可能な結果を得るまでの過程が、これまでになく迅速かつ確実になります。
概要
- アプリケーションベースの統合ワークフローにより、特性解析および特性モニタリングの課題に対処
- 完全なワークフローソリューションにより、データ取り込み、解析、レビュー、レポート作成を合理化し、使いやすさを大幅に高め、意思決定を迅速化
- RNA 分子、合成ペプチド、合成オリゴヌクレオチドなど、多数の生体分子をスクリーニングする際に、結果が得られるまでの時間が短縮し、柔軟性が向上
- 新規ピーク検出(NPD)により、バイオ医薬品タンパク質の製品品質特性(PQA)をペプチドレベルでルーチンにモニターして予期しないピークを同定
- 規制準拠した単一のソフトウェアソリューションを使用するモニタリングアッセイとリリースアッセイにより、製品とプロセスの特性解析を統合
推奨用途:タンパク質ベースの治療薬、ワクチン、核酸ベースの治療薬などを対象とする分析ワークフローのためのバイオ医薬品の LC-MS アプリケーションに最適。
機能ヘッダー
最新の規制に準拠したネットワーク化構造
バイオ医薬品のための waters_connect は、効率的な操作と管理のために、システムやデータへのネットワークアクセスをサポートするように基本設計されています。
- ネットワークインターフェースにより、四重極飛行時間(QTof)システムと BioAccord システムの組み合わせがサポートされる
- ラボ、オフィス、またはその他のネットワーク接続された場所にあるデータへの管理されたアクセス
- 業界をリードするコンプライアンスツール、プロフェッショナルサービスおよびサポート
- サードパーティ製ソフトウェアとのやり取りをサポートする API インターフェースおよびエクスポートツール
専用のバイオ医薬品アプリケーションワークフロー
waters_connect には、アプリベースの統合ワークフローが用意されており、以下のような特性解析や特性モニタリングの課題に対応できます。
- インタクト質量分析(タンパク質、サブユニット、核酸、またはペプチド)
- データ依存的測定(DDA)および MSE ベースのデータ非依存的測定(DIA)によるペプチドマッピング
- ペプチドマルチ特性分析法(MAM)
- 遊離 N 型糖鎖解析(蛍光(FLR)/MS)
- 細胞培養培地の分析
- オリゴヌクレオチドマッピング
インタクト質量分析
従来型および新規のバイオ医薬品のインタクト質量分析により、以下のことが可能になります。
- タンパク質、ペプチド、オリゴヌクレオチド、複合体などの生体分子の質量確認および純度決定の合理化
- sgRNA 分子および mRNA 分子の重要特性の評価
- インテリジェント自動デコンボリューションにより、インタクト質量に関するラボのキャパシティーが向上
- 自動化した取り込みおよび解析により、結果が得られるまでの時間が短縮し、柔軟性が向上
- 汎用 BayesSpray アルゴリズムまたは広く使用されている平均質量 MaxEnt1 デコンボリューションアルゴリズムの利用
- MS ベースおよび UV ベースの不純物の定量および不純物同定の両方に対応
- 1 日あたり数百種類の個別の生体分子の、高キャパシティーでハイスループットな質量確認および純度決定に対応
遊離 N 型糖鎖解析
遊離 N 型糖鎖のワークフローでは、FLR ベースおよび MS ベースの検出機能を使用して、標識 N 型糖鎖のプロファイルの分析、解析、レポート作成が自動化されます。
- FLR クロマトグラムおよび MS クロマトグラムの自動アライメント
- グルコース単位(GU)ベースのノーマライズされた保持時間割り当てのためのデキストランキャリブレーション
- 2-AB、2AA、RapiFluor-MS 標識糖鎖用の糖鎖 GU ライブラリー
- お客様の分子用のカスタム GU ライブラリーを作成する機能
- 精密質量確認による FLR 定量
ペプチドマッピング
ペプチドマッピングのワークフローにより、MS、DDA MS/MS、および DIA MSE ベースの測定による消化済みタンパク質ベースの医薬品の分析が自動化され、以下のようなことが可能になります。
- 精密質量およびフラグメント確認に基づくペプチド同定
- ペプチドレベルおよびフラグメントレベルでのシーケンスカバレッジ
- タンパク質修飾の割り当ておよび %修飾レベルの計算
- Peptide MAM によるターゲット分析用のライブラリーを構築するための、m/z、保持時間、チャージ状態などのレスポンス情報の収集
Peptide MAM
waters_connect Peptide MAM アプリケーションは、製品品質特性モニタリング、アイデンティティー確認、新規ピーク検出ベースの純度アッセイのための自動ワークフローを提供し、これによりユーザーは以下を行えます。
- データ取り込み、システム適合性、データレビュー、レポート作成を、シンプルなグラフィカルワークフロー設計で統合して、効率的なデータレビューを実現
- waters_connect サイエンスライブラリーやインポートしたファイルから直接、または手動入力により、ターゲット特性リストを入力
- 高度な RT アライメントツールで、ピークの欠落を防ぎ、定量性を改善
- 高感度で偽陽性率が低い、頑健な潜在的不純物の新規ピーク検出機能により、生産性を向上
RNA オリゴマッピング
MAP Sequence アプリは、酵素消化した RNA の LC-MS マップで得られたデータを解析することにより、より大きい RNA 分子(sgRNA、mRNA など)の特性解析を加速するという目的に合わせて構築された waters_connect アプリケーションです。これにより、ユーザーは以下のことができます。
- RNA 配列確認および不純物特性解析を効率化します。
- 修飾塩基および結合を含む RNA 分子のオリゴマッピング分析を行います。
- 従来の RNAase 消化酵素(RNAase T1 など)や異なる消化特異性を持つ RNA 消化酵素が含まれる拡張ツールセットを使用できる柔軟性により、オリゴマップを分析して、最大のシーケンスカバレッジを達成することができます。
- 独自のデータ視覚化ツールと合理化されたデータレビュー機能により、データの調査に費やす時間を減らし、ユーザーは、あいまいな結果になる可能性のある領域に集中できます。
オリゴヌクレオチド配列決定
CONFIRM Sequence アプリケーションは、合成オリゴヌクレオチドおよび消化 RNA フラグメントの特性解析を加速するように構築された初のワークフローであり、以下のようなことが可能になります。
- 専用のワークフローで核酸配列の確認と不純物の特性解析を合理化
- 迅速な分析および複数のターゲット実験(MS/MS)またはノンターゲット実験(MSE)で得られるシーケンスカバー率の計算により、分析効率が向上
- 自動修飾部位特定により結果の信頼性が向上
- 独自のデータ可視化ツールと包括的な生データレビュー機能により、データの調査にかかる時間が短縮
- 規制準拠した waters_connect プラットフォームにより、規制要件に適合した状態を維持