遺伝子治療薬(GTx)分析用カラム
物理化学的特性の確認と不純物の分離
遺伝子治療は過去 10 年間にわたって進歩し、多くのさまざまな難治性疾患を治療できる有望な治療法となっています。これらの医薬品を創製および上市する過程では、医薬品設計、物理化学的特性、不純物、およびそれらの効能と安全性との相関に不確実性が存在する可能性があります。
より高い回収率、分離能、および効率を提供するクロマトグラフィーカラムにより、この不確実性の一部を解決できます。Waters 遺伝子治療薬(GTx)分析用カラムには、逆相液体クロマトグラフィー(RPLC)、陰イオン交換(AEX)、親水性相互作用クロマトグラフィー(HILIC)、サイズ排除クロマトグラフィー(SEC)など、ラボで様々な医薬モダリティを分析するために必要な幅広いカラムが揃っています。適切なカラムが手元にあることで、大きな違いを生むことができます。
仕様
概要
- クロマトグラフィー分析法を利用して、頑健な物理化学的特性解析および定量測定を実現
- ウォーターズの幅広い RPLC カラム、AEX カラム、HILIC カラム、SEC カラムで最適な保持性と選択性を達成
- 適切なオリゴヌクレオチドまたは核酸の標準試料を選択することにより、システムスタビリティー試験や適合性試験が容易になる
推奨用途:正確でハイスループットのデータを利用して、遺伝子治療薬の効能と安全性に関する質問に答える。
機能ヘッダー
効能および純度を評価するアッセイのためのサイズ排除クロマトグラフィー
SEC の進歩により、凝集を確認し、ベクターの充塡率を測定する効能評価アッセイが迅速に実行できるようになり、不純物の詳細な特性解析が容易になります。SEC は、mRNA、ポリ A テール、CRISPR RNP、sgRNA の分析にも適用できます。
低吸着性で高効率の SEC カラムテクノロジーを採用した GTxResolve Premier BEH SEC 450Å 2.5 µm カラムにより、これらのアッセイが容易になり、高度な検出器を使用するマルチ特性測定が実現します。これらのカラムは AAV 遺伝子治療薬の分析に適しています。
mRNA ベースの医薬品の成功は、保護キャリアの役割を果たす脂質ナノ粒子(LNP)などの効率的なデリバリー担体の使用に依存しています。GTxResolve Premier SEC 1000Å 3 µm カラムは、サイズが中から大程度の mRNA での使用に加えて、一部の種類の LNP(Comirnaty™ ワクチンなど)に関する有用な情報を得ることができます。さらに、GTxResolve Premier SEC 1000Å 3 µm カラムは、ウイルスベクター開発者が、サンプルの高度の凝集につながる分解経路を解析するのに役立ちます。ワイドポア SEC カラムはさまざまなアプリケーションに適用できます。
ワイドポア SEC カラムの詳細を見る
完全性および純度の分析のためのイオンペア逆相クロマトグラフィー
イオンペア逆相液体クロマトグラフィーを用いた高度な分析法は、オリゴヌクレオチド治療薬および核酸治療薬の同定、純度、完全性、意図した修飾を確認するのに役立ちます。
高性能表面およびオリゴヌクレオチドでバッチテスト済みの吸着剤を採用した ACQUITY および XBridge Premier Oligonucleotide BEH C18 カラムにより、信頼性の高い分離が保証され、重要な結果を得るための処理時間が短縮されます。
また、ACQUITY Premier Oligonucleotide BEH C18 2.1 × 20 mm カラムは、超高速クロマトグラフィーを実現するための新たな選択肢になります。これらのカラムは、効率と機械的耐久性の両方について注意深く最適化されており、純度、アイデンティティー、重要品質特性の試験のスループットが向上します。
Oligonucleotide RPLC カラムの詳細を見る
遺伝子治療薬の HILIC クロマトグラフィー
HILIC は、移動相中にイオン対試薬を使用することなく、合成オリゴヌクレオチド、シングルガイド RNA(sgRNA)、メッセンジャー RNA(mRNA 消化物)、ウイルスカプシドタンパク質を保持できます。MS に適したバッファー中で、純度、サイズバリアント、フェイル配列、ヌクレオチド修飾、バックボーンバリアントを分析します。GTxResolve Premier Amide カラムは、タンパク質およびオリゴヌクレオチドの品質管理試料でダブルバッチテスト済みであるため、細胞治療薬および遺伝子治療薬の分離に最適なクロマトグラフィー性能が保証されます。
ウイルスベクター、オリゴヌクレオチド、核酸分析向けの陰イオン交換クロマトグラフィー
ウイルスベクター、オリゴヌクレオチド、核酸はすべて陰イオン性であるため、陰イオン交換は強力な分析手法になります。
Analytical AEX カラムの詳細を見る
Protein-Pak Hi Res Q カラムおよび Gen-Pak FAX カラムは、独特な 2 種類のケミストリーで利用でき、ベクター充塡率の確認、タイターの測定、トポロジー/完全性の確認のためのアッセイを実行できます。Protein-Pak Hi Res Q には、5 µm の第 4 級アミンを有する(SAX)樹脂粒子が充塡されているのに対して、Gen-Pak FAX カラムには低保持性の WAX 2.5 µm DEAE 吸着剤が充塡されています。
Semi-Prep AEX カラムの詳細を見る
オリゴヌクレオチドスタンダードおよび核酸スタンダード
個別のオリゴヌクレオチド、さまざまな一本鎖 DNA(ssDNA)ラダーのセット、脂質結合アンチセンスオリゴヌクレオチド、より大きな二本鎖 DNA ラダーなどのさまざまなクロマトグラフィー標準試料を用意しています。
スタンダードの詳細を見る
化学合成オリゴヌクレオチド向けの分取スケール RPLC
化学合成オリゴヌクレオチドを精製するために、分取 HPLC が定期的に行われています。
内径 10 ~ 50 mm で、オリゴヌクレオチドでテスト済みのエチレン架橋型ハイブリッド(BEH) C18 粒子が充塡されているウォーターズの最適ベッド密度(OBD)カラムにより、このような重要なプロセスのための高効率で長寿命のセットアップが提供されます。
スマートカラムオプションで規制対応を確保
規制環境下のラボに適したスマートカラムオプションを利用して、カラム情報を確認およびトラッキングします。eCord はデータ記録デバイスであり、粒子径 2.x µm(内径 2.1 mm および 3.0 mm)のカラム本体および ACQUITY UPLC カラムに恒久的に取り付けられており、これらのカラム製品に標準装着されています。正確に言えば、eConnect カラムタグは、Alliance iS HPLC System および Alliance iS Bio HPLC システムでオプションで使用できる、HPLC カラム(粒子径 2.x µm 以上)に恒久的に取り付けた電子タグデバイスです。カラムデバイス(eCord デバイスまたは eConnect カラムタグ)からのデータには、それぞれのシステムのコンソールを使用してアクセスできます。これらのスマートタグデバイスの機能は、カラム履歴の簡単な概要を提供し、トラブルシューティングの基本ツールとして活用できます。これらのデバイスに常駐するデータは自動的にインポートされ、後で Empower CDS を使用して検索できます。