2D テクノロジー搭載 ACQUITY UPLC M-Class システム
2D 分離により分析のダイナミックレンジが拡張
最近まで、2D-LC は時間がかかり、達成が困難と考えられていました。2D テクノロジー搭載 ACQUITY UPLC M-Class システムでは、非常に直観的なメニュー主導のメソッドセットアップ、標準化されたカラムケミストリー、およびインテリジェントなバルブ操作により、2D-LC 分離プロセスが合理化しています。
2D テクノロジー搭載 ACQUITY UPLC M-Class システムにより、2 µm 以下の粒子径の使用が拡張され、ピークキャパシティの高いペプチドの分離が実現します。この画期的なシステムでは、二次元(2D)UPLC を効果的に利用した 2 段階の逆相(RP)分離により、複雑なプロテオミクスサンプルのクロマトグラフィー分離能が向上します。
仕様
最大動作圧力 |
15,000 psi |
pH 範囲 |
2 ~ 10 |
動作流量範囲 |
フロースプリットなしで、200 nL/分 ~ 100 µL/分 |
サンプル流路 |
非鉄金属 |
注入量 |
0.1 ~ 100.0 µL |
サンプルコンパートメント |
4 ~ 40 ˚C |
ポンプオプション |
バイナリー |
カラム履歴管理 |
なし |
カラム容量 |
シングルカラム、内径(ID)75 µm ~ 4.6 mm、長さ最大 250 mm。 |
最大サンプル数 |
最大 21 プレート(サンプルオーガナイザーを使用) |
検出器オプション |
PDA 検出器 TUV 検出器 質量分析計 |
外部制御 |
MassLynx ソフトウェア |
物理的仕様 (µBSM、µSM-FL、TVM) |
幅:34.3 cm(13.5 インチ) 高さ:69.7 cm(27.4 インチ) 奥行き:71.2 cm(28.0 インチ) |
概要
- ペプチドに備わる、さまざまなイオン構造および疎水性構造に基づいて、両次元で高い分離能を実現
- タンパク質の同定、定量、シーケンスカバー率が向上
- 分離能の向上、メソッド作成ウィザードの改良、データアルゴリズムの強化
推奨用途:複雑なプロテオミクスサンプルのクロマトグラフィー分離能の向上
機能ヘッダー
包括的 2D の影響の拡張
従来の包括的 2D-LC では、イオン交換(IEX)分離の後に逆相(RP)分離を行います。どの IEX 手法でも塩を含むバッファーを使用します。そのため、そのため、バックグラウンドでイオン化が起きたり、塩が質量分析計(MS)に入って付着したりするおそれがあります。IEX 分離はぺプチドの電荷のみに基づくため、IEX 次元のクロマトグラフィー分離能が低く、ぺプチドが複数のフラクションに現れて、データの解釈が困難になることがよくあります。
2D テクノロジー搭載 ACQUITY UPLC M-Class システムの改良された 2D 法では、一次元目で pH 10 の RP、二次元目で pH 2 の RP を使用することにより、従来の IEX 手法よりもはるかに優れた結果を得ることができます。
確実な同定でクラス最高レベルの再現性を実現
2D テクノロジー搭載 ACQUITY UPLC M-Class システムの 2D-LC 分離の機能として、2D-LC に基づくタンパク質の再現性のある漸進的な同定など、確実な同定をより多く行うことができます。これにより、タンパク質の同定、定量、シーケンスカバー率が向上します。
両次元で高分離能を実現
IEX を最初の分離次元として使用すると、分離が悪くなり、フラクション間にブリードが生じることがよくあります。最初の段階の分離能が高ければ、最終段階で得られる情報の質が向上します。2D テクノロジー搭載 ACQUITY UPLC M-Class システムでは、pH 10 での逆相分離のサポートに続くより低い pH での 2 µm 以下の粒子での分離により、有用で直交する分離が得られ、質の高いデータを得ることができます。
分離能の向上によりタンパク質の同定数が向上
以下に示す分離結果は、複雑なプロテオミクスサンプルの包括的な 2D-LC の分離能を示す、大腸菌のトリプシン消化の分析例です。ACQUITY UPLC M-Class システムを一次元で使用し、0.5 µg をオンカラムでロードすることにより、2,874 のぺプチドから 365 のタンパク質が分離・同定されました。2D-LC システムに 2.5 µg を追加することにより、5 ステップ分離で 7,661、10 ステップ分離で 9,415 のペプチドが同定され、結果としてタンパク質カバー率が高まって、結果の信頼性が高まりました。
2D-LC および ACQUITY UPLC M-Class システムにより、2 倍もの数のタンパク質をより確実に同定し、より多くのペプチドを回収し、より高いタンパク質カバー率を達成して、結果の信頼性が高めることができます。