GlycoWorks RapiFluor-MS 遊離 N 型糖鎖キット
迅速かつ高感度で、簡単な N 型糖鎖の検出
GlycoWorks RapiFluor-MS N 型糖鎖キットで、遊離 N 型糖鎖解析のワークフローを改めてお考えください。GlycoWorks キットを支えるテクノロジーにより、N 型糖鎖サンプル前処理のスループットが向上すると同時に、糖鎖検出においてこれまでにない蛍光分析および質量分析の性能を達成することができます。
GlycoWorks RapiFluor-MS N 型糖鎖キットの使用により、サンプル前処理のスピードと感度の間で妥協する必要がなくなり、分析結果に確信を持つことができます。
仕様
概要
- DMF を使用しない GlycoWorks RapiFluor-MS エコ標識キットが利用可能になりました!標準キットでは、DMF のより環境に配慮した代替品である DMSO を DMF の代わりに使用しています。(いずれのバージョンも引き続き使用できます。)
- 蛍光分析および質量分析でかつてない感度を達成
- 30 分でできる簡素化した再現性のある 3 ステップのワークフローで時間を節約
- 複数のプラットホームにわたる自動化により、生産性を最大化
- 特性解析からルーチンモニタリングまで 1 種類の標識で価値ある情報を得る
- 複雑で時間のかかるサンプル前処理の削減
- 専用キットで従来の 2-AB メソッドをサポートし、RFMS への簡単な移行と分析者のトレーニングを提供
- ウォーターズの糖鎖カラムと標準試料およびバッファーでワークフローを完了させる
推奨用途:迅速、効率的かつ正確な N 型糖鎖解析。
機能ヘッダー
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糖鎖切り出しモジュール:Rapid PNGase F、特別仕様のバッファー、RapiGest SF 界面活性剤、およびプロトコル評価用のコントロールとして使用するインタクト mAb 質量チェック用標準品
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標識モジュール:RapiFluor-MS 試薬および試薬溶媒(DMF または DMSO)
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洗浄モジュール:GlycoWorks HILIC µElution プレート* および GlycoWorks 溶出バッファー、サンプル希釈液
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サンプルコレクションモジュール:サンプルの取り扱いに必要なチューブ、キャップ、コレクショントレイ、廃液トレイ
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HILIC(アミノプロピル)吸着剤を用いるサンプルクリーンアップ装置
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ハイスループット:GlycoWorks HILIC µElution SPE プレート*(96 ウェル)
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使い捨て:加圧マニホールド用の GlycoWorks HILIC 1 cc(20 パック)および GlycoWorks HILIC 1 cc フランジなしカートリッジ(20 パック)
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タンパク質の糖鎖切り出しおよび標識用物質を含む GlycoWorks 試薬キット
* μElution プレートの使用には、真空マニホールドまたは加圧プロセッサーが必要です。
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ジメチルホルムアミド(DMF)の使用を制限する新しい規制に対応して、ジメチルスルホキシド(DMSO)を標識溶媒として使用する、DMF を含まない GlycoWorks RapiFluor-MS N 型糖鎖標識キットが利用可能になりました。
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従来の DMF 含有キットと同様に、蛍光分析および質量分析についてかつてない感度を達成
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糖鎖切り出しキットおよびクリーンアップキットと組み合わせた場合、同じ 30 分の 3 ステップのワークフローを使用
簡素化した、30 分でできる3 ステップのワークフローで時間を節約
サンプル分取時間の短縮による蛍光と MS シグナルの増大
RapiFluor-MS 標識により、蛍光による定量が向上するとともに、これまでにない MS シグナル強度を実現しました。蛍光および質量分析で連続して検出することにより、少ないサンプル量でも高い感度が得られ、低存在量の糖鎖を容易に割り当ておよび特性解析することができます。
HILIC クロマトグラフィーで標識糖鎖を分析した場合、RapiFluor-MS 標識により以下の結果が得られました。
- 市販のアミノベンズアミド(AB)の迅速標識用アナログ:蛍光シグナル強度が 2 倍、MS シグナル強度が 1000 倍に向上
- 2-AB による従来の還元的アミノ化反応:蛍光シグナル強度が 4 倍、MS シグナル強度が 160 倍に向上
連続的な結果の頑健性の向上
GlycoWorks RapiFluor-MS N 型糖鎖キットを使用すると、定量的回収で高収量サンプル前処理が行え、HPLC、2-AB ベースの方法とほぼ同等の正確で再現性のある N 型糖鎖プロファイリングが保証されます。
Glycan BEH Amide HILIC カラムクロマトグラフィーと組み合わせて使用した RapiFluor-MS N 型糖鎖サンプル前処理の頑健性の実証を確認するには、ここをクリックしてください。
ジスルフィド結合が多い複雑な分子の回収率の向上
N 型糖鎖は多くの治療用タンパク質の安全性および有効性に影響を及ぼすため、バイオ医薬品の品質管理においては、そのモニタリングがルーチンに行われています。現行の糖鎖解析は、既に多くの研究が行われているモノクローナル抗体(mAb)の糖鎖について開発されたものです。今回、複数のジスルフィド結合を含む非常に複雑な糖タンパク質である、ヒト絨毛性ゴナドトロピン(hCG)から遊離した N 型糖鎖の再現性の高いプロファイルが得られる補完的な分析法を紹介します。
還元試薬 DTT を添加することで、プロトコル実施にかかる時間を延長せずに、タンパク質を完全に変性する方法を確認するには、ここをクリックしてください。
N 型糖鎖分析のスループットの向上
RapiFluor-MS を ACQUITY UPLC H-Class Bio システムと組み合わせることで、サンプル前処理全体にかかる時間が大幅に短縮され、MS レスポンスが大きく改善されます。また、ACQUITY QDa 検出器により、遊離 N 型糖鎖分子種を正確にモニターする方法が得られます。
プロセス開発において、GlycoWorks RapiFluor-MS を使用して、遊離 N-糖鎖プロファイルを迅速にモニターする方法については、ここをクリックしてください。
ホスホグリカン SPE バッファーによる回収率の向上
固相抽出(SPE)精製の間に標識された酸性糖鎖(特にリン酸化糖鎖分子種)が失われることが、バイオ医薬品のグリコシル化の正確なモニタリングにおける課題です。クエン酸塩添加により最適化された GlycoWorks ホスホグリカン SPE 溶出バッファーにより、リン酸化糖鎖の溶出と回収が容易になり、収量が大幅に向上します。
還元的アミノ化(2-AB)用製品
GlycoWorks サンプル前処理消耗品ラインと ACQUITY UPLC BEH Glycan カラムは、バイオ医薬品の遊離糖鎖を 2-アミノベンズアミド(2-AB)誘導体として分離するために、蛍光検出器(FLR)を搭載した ACQUITY UPLC システムで使用するように最適化されています。
GlycoWorks サンプル前処理消耗品ラインは、2-AB 標識 N 型糖鎖に特化しています。この消耗品ラインは、特に免疫グロブリン G(IgG)などのバイオ医薬品の市場に適しています。GlycoWorks サンプル前処理消耗品ラインは、IgG に限定されるものではありませんが、IgG でバリデーションされています。
柔軟性と自動化により最適な結果を実現
ウォーターズは、Andrew+ ピペッティングロボットや OneLab ソフトウェアなど、ワークフロー自動化用の様々なソリューションを提供しています。また、GlycoWorks RapiFluor-MS メソッドの検証済みスタータースクリプトは Tecan プラットホームおよび Hamilton プラットホームで利用できます。