このアプリケーションノートでは、従来の RP 固定相と非常に異なる選択性を示す新しいミックスモード RP/AX 固定相の特性について説明します。
現在利用可能な逆相(RP)カラムには多様な種類がありますが、極性酸性分析種を保持・分離するように設計されたカラムは比較的少数です。広く使用されているシリカベースの RP 充塡剤は通常、逆相と陽イオン交換の両方の挙動を示し、後者はシラノールのイオン化によるものです1。 イオン化したシラノールが存在すると表面が負に帯電し、イオン化した酸性化合物などの負に荷電した分析種と反発し合います。イオン化した酸性化合物を保持する方法の 1 つとして、移動相にイオン対試薬を使用することが挙げられます2。 このアプローチには、平衡化に長時間かかることやバックグラウンドレベルが高いことなど、複数の欠点があります。別の方法として、分析種を誘導体化して疎水性の中性分子種を生成する方法があります3。 このアプローチの欠点は、サンプル前処理にかかる時間が長くなることと、定量測定のばらつきが大きくなる可能性があることです。これらの方法の制約により、ミックスモード RP/陰イオン交換(AX)カラム、つまり疎水性基とイオン交換基を併せ持った固定相が開発されました4。 ただし、多くのミックスモード RP/AX カラムには、バッチ間の再現性が悪く、pH 範囲が限られるという問題があります。これらの問題を克服するため、ウォーターズではバッチ間の再現性に優れ、広い pH 範囲にわたって安定な、ハイブリッドの有機/無機粒子に基づく新しい固定相を開発しました。このアプリケーションノートでは、新しい Atlantis BEH C18 AX 固定相のクロマトグラフィー選択性について説明します。この固定相は、分析種の損失につながる分析種とステンレスとの相互作用を最低限に抑え、分析種の回収率を向上できるように設計された新しい MaxPeak High Performance Surfaces カラムハードウェアに充塡されています。この充塡済みカラムは Atlantis Premier BEH C18 AX カラムと名付けられています。
サンプルは、10 mM ギ酸アンモニウム水溶液 pH 3.00 中に 5 μg/mL チオ尿素、12.5 μg/mL 5-フルオロウラシル、25 μg/mL ニコチンアミド、37.5 μg/mL アデノシン-5'-一リン酸、37.5 μg/mL プロカインアミド、125 μg/mL レゾルシノールが含まれていました。連続して 4 回の分離を行い、2 回目から 4 回目の注入の保持時間を使用して保持係数を計算しました。ボイド時間(t0)の測定は、チオ尿素とアセトニトリル移動相を使用して行いました。
装置: |
ACQUITY UPLC I-Class システム(PDA 検出器搭載) |
データ管理: |
Empower 3 CDS |
カラムサイズ: |
2.1 × 50 mm |
カラム温度: |
30 ℃ |
注入量: |
1.5 µL |
流速: |
0.2 mL/分 |
移動相: |
10 mM ギ酸アンモニウム水溶液(pH 3.00) |
UV 検出: |
254 nm |
5 μg/mL チオ尿素、50 μg/mL レゾルシノール、10 μg/mL カフェイン、5 μg/mL 2-ニトロ安息香酸、100 μg/mL メトプロロール、10 μg/mL 2-ニトロベンジルアルコール、2 μg/mL パパベリン、125 μg/mL 2-クロロ安息香酸、20 μg/mL プロプラノロール、25 μg/mL 4-ニトロフェノール、10 μg/mL ベルベリン、25 μg/mL 3-ニトロフェノール、100 μg/mL 2-クロロフェノール、25 μg/mL 2-ニトロフェノール、10 μg/mL アミトリプチリン、500 μg/mL フルオキセチン、25 μg/mL ジエチルフタル酸、100 μg/mL フェノプロフェン、25 μg/mL ジプロピルフタル酸を含むサンプルを、15.4 mM ギ酸アンモニウム水溶液 pH 3.00 中に調製しました。3 回連続して分離を行い、平均保持時間を使用してグラジエントの保持係数を計算しました。100% アセトニトリル移動相とともにチオ尿素をボイド時間(t0)のマーカーとして使用しました。
装置: |
ACQUITY UPLC システム(PDA 検出器搭載) |
データ管理: |
Empower 3 CDS |
カラムサイズ: |
2.1 × 50 mm |
カラム温度: |
30 ℃ |
注入量: |
5 µL |
流速: |
0.5 mL/分 |
移動相 A: |
15.4 mM ギ酸アンモニウム水溶液(pH 3.00) |
移動相 B: |
アセトニトリル |
グラジエント: |
5.3 分で 5 ~ 95% B(リニアグラジエント) |
UV 検出: |
254 nm |
サンプルは、10 μg/mL チオ尿素と 12 μg/mL チミンが 10 mM ギ酸アンモニウム水溶液 pH 3.00 中に含まれていました。装置および分離の条件は、極性混合物の分離と同じでした。極性混合物を 4 回分離した後、送液を 10 分間停止させました。次に 0.2 mL/分で送液を再開しました。0.6 分後に、チオ尿素/チミンのサンプルを 2 回注入しました。チミンの保持係数は、チミンの平均保持時間と、以前にアセトニトリル移動相でチオ尿素を使用して得た t0 測定値を使用して計算しました。
サンプルは、10 μg/mL チオ尿素、100 μg/mL グアノシン-5'-一リン酸、100 μg/mL レゾルシノール、100 μg/mL ニコチンアミドの水溶液でした。
装置: |
ACQUITY UPLC H-Class システム(PDA 検出器搭載) |
データ管理: |
Empower 3 CDS |
カラムサイズ: |
2.1 × 50 mm |
カラム温度: |
30 ℃ |
注入量: |
2.0 µL |
流速: |
0.2 mL/分 |
移動相: |
(95/5 v/v)10 mM 重炭酸アンモニウム水溶液(pH 10.08)/メタノール |
UV 検出: |
254 nm |
サンプルには、200 μg/mL メトプロロール酒石酸、10 μg/mL パパベリン、50 μg/mL アミトリプチリンがメタノール/水(1/5 v/v)中に含まれていました。3 回連続で分離を行い、各分析種について、13.4% ピーク高さでの平均ピーク幅を決定しました。
装置: |
ACQUITY UPLC システム(TUV 検出器搭載) |
データ管理: |
Empower 3 CDS |
カラムサイズ: |
2.1 × 50 mm |
カラム温度: |
30 ℃ |
注入量: |
2 µL |
流速: |
0.4 mL/分 |
移動相 A: |
0.1% ギ酸水溶液 |
移動相 B: |
アセトニトリル |
グラジエント: |
7.37 分で 15 ~ 95% B(リニアグラジエント) |
UV 検出: |
260 nm |
Atlantis BEH C18 AX 固定相の特性を表 1 にまとめ、BEH C18、CSH C18、HSS T3 の特性と比較しました。Atlantis BEH C18 AX 固定相は、BEH 固定相および CSH 固定相で使用されている 130 Å の粒子よりもポアサイズが小さい 95 Å のエチレン架橋ハイブリッド(BEH)粒子をベースにしています。このポアサイズが小さい粒子は表面積が 50% 大きくなり、強い保持を示します。Atlantis Premier BEH C 18 AX カラムの中性化合物に対する保持係数は、HSS T3 カラムの中性化合物に対する保持係数と非常によく似ています。Atlantis BEH C18 AX 固定相には C18 基だけでなく、第三級アルキルアミン基も含まれており、約 8 未満の pH では正の表面電荷が生成されます。Atlantis BEH C18 AX と同様に、CSH C18 にも C18 基と陰イオン交換基の両方が含まれます。ただし、ピリジン基を含む陰イオン交換基では、CSH C18 は約 5 未満の pH でのみ正に荷電します。Atlantis BEH C18 AX は、残留シラノールの濃度を下げ、固定相の塩基安定性を改善するためにエンドキャップされています。
RP 分離においては多くの場合、高極性分析種を十分に保持するために、水系比率の高い移動相が必要になります。送液を停止して再開すると保持が失われるため、すべての RP カラムがこれらの移動相と適合するわけではありません5,6。 平均ポアサイズが約 100 Å 未満の粒子をベースにしたカバー率が高い C18 結合相およびC8 結合相では、特にこの現象が起こりやすく、100% 近く保持が失われます。中間的な表面濃度の C18(1.6 μmol/m2)を AX 基と併用することで、Atlantis BEH C18 AX は水系比率の高い移動相に適合するようになります。Atlantis Premier BEH C18 AX、1.7 μm、2.1 × 50 mm カラムにおける 100% 水系移動相(30℃)の送液を停止して再開する実験において、チミンの保持係数の低下はわずか 3.7% でした。この値は HSS T3 で見られた約 10% の保持の低下より小さい値です。
Atlantis BEH C18 AX 固定相は、約 8 未満の pH では正の表面電荷を持ちます。正の表面電荷により、従来の逆相充塡剤と比較して、イオン化した酸性化合物などの陰イオンの保持が強まり、プロトン化した塩基性化合物などの陽イオンの保持が低下します。これらの違いは図 1 のクロマトグラムで容易に確認できます。この試験で使用したサンプルには 6 種類の極性分析種が含まれています。そのうちの 1 つは pH 3 の移動相中で負に荷電し(アデノシン 5'-一リン酸、AMP)、2 つは正に荷電し(ニコチンアミドおよびプロカインアミド)、3 つは中性(チオ尿素、5-フルオロウラシル、レゾルシノール)となります。Atlantis Premier BEH C18 AX カラムは、HSS T3 カラムや CSH C18 カラムと比較して、AMP に対して最も高い保持を発揮します。中性化合物は、Atlantis Premier BEH C18 AX と HSS T3 カラムで同様の保持を示し、CSH C18 カラムは、使用されている 130 Å 粒子の表面積が小さいため、これらの分析種に対して最も低い保持を示します。正に荷電した分析種であるニコチンアミドとプロカインアミドは、HSS T3 カラムで最もよく保持され、Atlantis Premier BEH C18 AX カラムでは保持されません。
これらの傾向は、多数の分析種を用いた試験でも観察されています。例えば、さまざまな極性および酸/塩基特性をカバーする 18 種類の化合物を pH 3 のギ酸アンモニウムバッファーを含む水系移動相とアセトニトリルのグラジエントを使用して分離しました。その結果を、Atlantis BEH C18 AX のグラジエント保持係数(kg)対 BEH C18 および CSH C18 の kg のプロットとして図 2 に示します。pH 3 において、負に荷電した分析種のデータポイントを赤色の円、正に荷電した分析種のデータポイントを青色のダイヤモンド型、中性化合物のデータポイントを黒色の三角形で示しています。Atlantis Premier BEH C18 AX カラムでは、負に荷電した化合物の kg 値が最大になり、正に荷電した分析種の kg 値が最小になります。これらのカラム間の選択性の違いを定量するために、s2 値を以下のように計算しました。
s2 = 1 - r2
ここで r は、kg 対 kg のプロットの相関係数です7。 相関係数が小さいほど s2 値が大きくなり、カラム間の選択性の差が大きいことを示します。s2 値の範囲は 0 ~ 1 です。結果から、BEH C18 AX に対する Atlantis BEH C18 AX の s2 値が 0.58、CSH C18 に対する Atlantis BEH C18 AX の s2 値が 0.47 であることがわかります。これらの値は大きく、別の RP 結合相について報告されている最大値の約 4 倍です7。Atlantis BEH C18 AX では、イオン化分析種を含む混合物を分離する際の、逆相カラム固定相の選択の範囲が大幅に拡がっています。
CSH C18 の場合8、Atlantis BEH C18 AX の表面修飾には、チャージモディファイヤー、C18基、およびエンドキャップを取り込むための個別のステップが関与します。このアプローチにより、表面ケミストリーが十分に制御でき、バッチ間再現性が向上します。Atlantis BEH C18 AX のクロマトグラフィー再現性を評価するために、図 1 に示す極性混合物の分離を使用して、1.7、2.5、および 5 μm の各充塡剤の 27 種類のバッチを試験しました。相対保持については、相対標準偏差(RSD)が 1 ~ 3% の範囲であることがわかり(図 3)、再現性の高い従来の C18 結合相の一部に匹敵する優れた再現性であることが示されました9。異なる粒子サイズの相対保持に統計的有意差は認められず、粒子径が異なるカラム間にわたる拡張性が促進されました。
塩基性化合物に対して安定な BEH 粒子 10 と安定な結合ケミストリーを組み合わせた Atlantis BEH C18 AX の充塡剤は、ミックスモード固定相のための酸性移動相および塩基性移動相の両方に対して卓越した耐性を示します。表 2 では、Atlantis Premier BEH C18 AX カラムの推奨 pH 範囲を、2 つの主要なミックスモード RP/AX カラムの pH 範囲と比較しています。
最も顕著な違いは上限値で、シリカ粒子ベース他のカラムでは pH 4.5 または 7.5 までの使用が推奨されているのに対し、Atlantis BEH C18 AX の推奨範囲は最大 pH 10 までです。Atlantis BEH C18 AX の pH 範囲は、以前報告した加速試験と同様の試験の結果に基づいて確立されたものです10,11。 pH 上限値を確認するために、pH 10 の移動相と温度 30 ℃ を使用して安定性試験を実施しました。3 成分のサンプル混合物を連続 340 回注入し、1 回の注入につき実行時間は 1 時間でした。
レゾルシノール、グアノシン-5'-一リン酸、ニコチン酸アミドの保持時間の変化は、それぞれ +0.1%、-14.5%、-8.5% であることがわかりました(図 4)。Atlantis Premier BEH C18 AX カラムは pH 安定性の範囲が広いため、より広範囲の移動相 pH 値が使用できるようになりました。イオン化する分析種を含むサンプルでは、移動相 pH が選択性調整の最も強力な変数であることがわかっています12。
Atlantis Premier BEH C18 AX カラムの保持の pH 依存性を調査するため、さまざまな pH でバッファー濃度が一定の一連の移動相を使用して図 1 の混合物を分離しました。100% 水系移動相を、pH 調整のためにさまざまな量のギ酸または水酸化アンモニウムを添加したギ酸アンモニウムを用いて調製しました。結果は図 5 に示します。3 種類の分析種(AMP、ニコチンアミド、プロカインアミド)の保持係数は pH によって大きく変わっていますが、他の 2 種類の分析種(5-フルオロウラシルとレゾルシノール)の保持係数はわずかしか変化していません。
ニコチンアミド(pKa = 3.4)およびプロカインアミド(pKa = 4.6、9.3)の挙動は、RP クロマトグラフィーの他の塩基性化合物と同様であり、これらの pKa 未満の pH では保持係数が低く、プロトン化型になり、pKa 以上にすると非プロトン化型になります13。 プロトン化型と非プロトン化型の保持係数の差は大きく、ニコチンアミドでは 9 倍、プロカインアミドでは 14 倍超になります。
固定相の表面電荷もこの pH 範囲にわたって正電荷から中性へと変化し、イオン反発のためにプロトン化型の分析種が正に荷電した表面から部分的に排除されるため、保持係数の差が大きくなることがあります。AMP の保持係数は異なる pH 依存性を示します。AMP には 3 つのイオン化する基、2 つの酸性の P-OH 基(pKa = 0.9 および 6.2)と 1 つの塩基性のアデニン部分(pKa = 3.8)があります。
AMP のイオン性電荷は、pH 約 2.5 の 0 から pH 7 の -2 まで変化します。pH 2.5 と pH 5.5 の間の保持係数の増加は、AMP の負電荷の増加によるものです。pH 5.5 以上での保持係数の低下は、固定相上の正電荷の減少によるものです。
2 番目の重要な移動相の変数はバッファー濃度であり、イオン交換での保持に強く影響します。この変数について調査するため、pH 3.00 のギ酸アンモニウムを含む一連の移動相を使用して、5 ~ 50 mM の濃度で同じ極性混合物を分離しました。結果は図 6 に示します。2 種類の分析種(AMP およびプロカインアミド)には、保持に強いバッファー濃度依存性が見られ、互いに逆の傾向を示しました。固定相の AX 部位から AMP がギ酸陰イオンに置換されたために、負に荷電した AMP の保持係数はバッファー濃度の増加に伴って低下しています。対照的に、正に荷電したプロカインアミドの保持係数はバッファー濃度の上昇とともに高くなっています。これは、プロトン化プロカインアミドと正に荷電した表面の間のイオン反発が、バッファー濃度の上昇に伴って弱まることに起因します。
CSH C18 カラムでは、ギ酸を含む移動相などの低塩濃度の移動相を使用することで、プロトン化塩基性化合物などの陽イオン分析種のピークが鋭くなり、対称性が大幅に改善することが実証されています8。 Atlantis Premier BEH C18 AX カラムでは、さらに大きな効果が見られます。図 7 に示すのは、アセトニトリルグラジエントと 0.1% ギ酸を含む水系移動相を使用して、3 種類のカラムで 3 種類の塩基性分析種を分離して得られたクロマトグラムです。結果から、BEH C18 から CSH C18、Atlantis BEH C18 AX を見ていくと、メトプロロールとアミトリプチリンのピークが狭くなり、徐々に対称性が改善していることがわかります。
図 7. 0.1% ギ酸を含む移動相を使用した 3 種類の塩基性分析種のグラジエント分離。ピーク高さ 13.4%(wp)での平均ピーク幅を、メトプロロールとアミトリプチリンのピークから計算しました。
プロトン化した分析種の CSH C18 および Atlantis BEH C18 AX 固定相の表面からのイオン性反発の結果、保持時間も短縮されます。メトプロロールの酒石酸塩対イオンは、Atlantis Premier BEH C18 AX カラムでは保持されていますが、他の 2 種類のカラムでは保持されないことが注目されます。Atlantis Premier BEH C18 AX カラムでのピークのシャープさの改善を定量するために、メトプロロールのピークとアミトリプチリンのピークの平均ピーク幅を決定しました。その結果、CSH C18 から Atlantis BEH C18 AX への移行で 40% 減少したことがわかります。これは、低塩濃度の移動相を使用すると、塩基性分析種について高分離能の分離が得られる可能性を示す大きな改善となります。ただし、このような移動相を使用すると、イオン化した酸性化合物のピーク形状が最適でなくなる可能性があります。イオン化した酸性分析種に Atlantis Premier BEH C18 AX カラムを使用する場合は、10 mM 以上のバッファー濃度が推奨されます。
このアプリケーションノートでは、従来の RP 固定相と非常に異なる選択性を示す新しいミックスモード RP/AX 固定相の特性について説明します。Atlantis BEH C18 AX は、既存のミックスモード RP/AX 製品と比較して、優れたバッチ間再現性と卓越した高 pH 安定性を示します。移動相の pH 値が約 8 未満の場合、Atlantis BEH C18 AX を使用すると、従来の RP 固定相と比較して、イオン化した酸性化合物などの陰イオンの保持係数が高くなり、プロトン化した塩基性化合物などの陽イオンの保持係数が低くなります。移動相の pH とバッファー濃度を調整することで、イオン性化合物の選択性を広範囲にわたって変化させることができます。低塩濃度の移動相(0.1% ギ酸含有溶液など)を使用する場合、Atlantis BEH C18 AX ではプロトン化した塩基性化合物が非常にシャープで対称的なピークを示します。この新しい固定相は、既存の RP 固定相を補完するもので、分析法開発時のカラムのスクリーニングに役立ちます。
720006742JA、2020 年 1 月