このアプリケーションブリーフでは、EPA 537.1 に記載されている分析法と同等の固相抽出ケミストリーとして、Sep-Pak PS2 カートリッジを使用して飲料水サンプルから PFAS を抽出する方法について説明します。
EPA 分析法 537.1 に従って飲料水から PFAS を抽出する Sep-Pak PS2 カートリッジの説明。
米国では、飲料水中のパーフルオロアルキル化合物(PFAS)の分析を実施する多くのラボが、EPA 537 分析法に従います。飲料水中の PFAS の分析に関する EPA 537 の分析法は、2018 年に更新され、新規 PFAS が分析対象化合物リストに追加されました。EPA 537.1 では、飲料水サンプルの固相抽出(SPE)にスチレンジビニルベンゼン(SDVB)基質を使用する必要があります。この分析法ではサンプル抽出ステップを変更できないため、使用する SPE ケミストリーは、所定の分析法に従って適切な結果を出す必要があります。この分析法は、PFOA および PFOS などの従来のカルボン酸およびスルホン酸を含む 18 種類の PFAS に加え、GenX(HFPO-DA)を含む 4 種類の新規 PFAS を対象としています。
Sep-Pak PS2 カートリッジ(製品番号:WAT200610)は、537.1 分析法で必須のケミストリーとまさに同等であり、必要な分析要件のすべてに適合しています。
水道水およびボトル入りの飲料水サンプルを、EPA 537.1 で定められたサンプル採取および抽出の手順に従って評価し、ACQUITY UPLC I-Class PLUS システムと Xevo TQ-S micro タンデム四重極型質量分析計を組み合わせて LC-MS/MS 分析を行いました。EPA 537.1 で規定された精度要件を満たすためには、この分析法における 18 種類の PFAS の回収率は 70~130% の範囲内に収まる必要があります。Sep-Pak PS2 カートリッジを使用することで、18 種類の PFAS のすべてが、多数の添加濃度において必要な範囲内で良好な回収率を示しました。図 1 は、0.5、1.0、4.0、16.0 ng/L の各 PFAS についての回収率を示しています。回収率は評価したすべての濃度において 80~125% の範囲内でした。
537.1 で求められるもう 1 つの要件は、サンプルの繰り返し注入における %RSD が 20% 未満であることを示すことによって、分析法の精度を実証することです。これについて、濃度既知の PFAS を添加した水道水およびボトル入り飲料水の両方で、6 回繰り返し抽出を実施して評価しました。図 2 は、すべての化合物について %RSD が十分許容範囲内にあり、大部分の PFAS で RSD が 10% をはるかに下回っていることを示しています。
Sep-Pak PS2 カートリッジを用い、精度および頑健性が実証された EPA 537.1 分析法を用いて、水道水と飲料水に含まれる残留 PFAS の分析を行いました。この分析の結果を図 3 に示します。3 種類の PFAS(PFHxA、PFHpA、PFOA)がボトル入り飲料水で 0.02~0.22 ng/L の範囲で検出されました。試験した水道水には、PFHxA、PFHpA、PFOA、PFNA、PFBS、PFHxS、PFOS の 7 種の PFAS が含まれており、それらは 0.39~1.99 ng/L の範囲で検出されました。
Sep-Pak PS2 カートリッジは、EPA 537.1 で必須の SDVB 相とまさに同等です。PS2 は、EPA 分析法に要求される精度と真度で飲料水中の PFAS を確実に抽出し、すべての PFAS の回収率が要求された 80~120% の範囲内で、繰り返しの抽出液の %RSD は 16% 未満であることが実証されました。このアプローチを使用して、水道水およびボトル入り飲料水中でさまざまな PFAS を検出および定量しました。従って、本書に記載の Sep-Pak PS2 カートリッジと分析法は、PFAS の分析に関する EPA 537.1 の規制要件を満たしています。
720006695JA、2019 年 11 月